内水

内水についての詳細

内水の定義

内水とは、陸地側から見て基線の内側にある海域を指し、国連海洋法条約においてその範囲が定義されています。これにより、内水は沿岸国の領域の一部とみなされ、国家は内水において特有の権利を有します。一般的に、領海における他国の無害通航権が認められるのに対し、内水では基本的に他国の無害通航権を認める必要はありません。ただし、新たに内水に組み入れた区域については特例があります。

基線の役割

基線は、領海や排他的経済水域を測定するための起算点となります。一般的には通常基線、直線基線、群島基線の三種類があります。通常基線は低潮線に沿う方法で引かれ、最も一般的な手法です。直線基線は海岸が複雑な場合に利用され、歴史的な判例に基づいて採用されています。群島基線は特定の島々によって構成される国家のための特別な基準です。

海岸と低潮高地

基線は通常、低潮線を基にするため、干潮時には水面上に現れる土地も領土の一部と見なされます。この低潮高地の領有権については議論の余地があり、国際法上は明確に規定されているわけではありません。

内水の具体例

内水に該当する水域には、湾、港、湖、運河、河川、内海などがあります。ただし、湖や河川に関しては特別な法律が存在しない限り、内水として扱われないことがあります。

湾

湾は、その内部が広く、湾口が狭い場合、内水と見なされます。湾の内水認定には、沿岸が単一の国に属し、湾口の幅が24海里未満であることなどの条件があります。歴史的に長く使われている湾も内水として認められることがあります。

港

港は、沿岸国の法域に含まれ、そこにある水域は内水と見なされます。外国船が無条件で港に入る権利は制限されることがあります。

内海

内海は、外海とは隔離された水域で、単一の国の沿岸によって囲まれている場合、内水とみなされる場合があります。具体的な条項は国際法で定められていないため、各国の慣行に依存することが多いです。

河川・河口

国内河川は、その沿岸が単一の国によって統治されている場合、内水と見なされます。国際河川となる場合もあり、河口の処理には特別なルールが設けられることがあります。

管轄権

内水に滞在する外国船への沿岸国の管轄権は重要な側面です。基本的に、外国船は沿岸国の法の下で管理されますが、船内の問題については船旗国の権限が尊重されます。特に軍艦や政府船舶に関しては、沿岸国の管轄権は及ばないものの、上陸者には関わることがあります。

結論

内水は沿岸国の管轄下で特別な位置を持つ海域であり、その取り扱いや権利は法律および慣習によって決まります。各国による具体的な適用は異なり、国際的な合意や慣習がその運用に影響を与えるため、注意が必要です。

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