内海フェリー

内海フェリー株式会社について

内海フェリー株式会社は、香川県小豆島町草壁本町に本社を置いていた海運会社で、主に高松市の高松港と小豆島の草壁港を結ぶ航路を運航していました。1956年に内海商船株式会社として設立され、その後、関西汽船から航路を譲り受けて運航を開始しました。かつては観光資源が豊富な小豆島での交通手段として重要な役割を果たしていましたが、2021年3月31日をもって、コロナ禍や乗客数の減少により航路を休止しました。

会社の歴史と航路の発展

内海フェリーは創業当初、老朽化した木造船「第二ゆず丸」を使用しており、当時は一日一往復の運航で、旅行者の増加には程遠い状態でした。しかし、1961年に新造船「かんかけ」が就航した後は、運航頻度を増やし、所要時間も短縮していきました。フェリーが導入された1970年代には、運航の信頼性が向上し、多くの客様に利用されるようになりました。時代とともに船舶も新型に更新され、2000年代に入ると、より高速運航が可能な艦が次々に就航し、利便性が大きく向上しました。

航路の休止経緯

2020年には新型コロナウイルスの影響が深刻化し、運航が厳しい状況に陥りました。特に、2020年の7月には月約1,000万円の赤字を記録し、その後の支援を両備グループに要請します。そして、2021年4月には、高松港と小豆島を結ぶ航路は国際両備フェリーに移管され、内海フェリーの航路は休止となりました。

船舶とその運航

航路休止時に運用されていたフェリーは「ブルーライン (4代)」であり、その前には多くの船が用いられました。これには、初代の「ブルーライン」から3代目までがあり、各年代を経て技術が進化し、旅客の運び方についての効率化も進んでいました。特に3代目では、スピードと運行可能な車両台数の増加が実現されていました。

また、内海フェリーの航路では、往復の運航を行っていましたが、高松港 - 草壁港を結ぶ距離の長さにもかかわらず、他航路に比べると所要時間がやや長かったため、利用者にとっては乗船体験がやや制約されることもありました。

事故と安全管理

内海フェリーには、いくつかの事故も記録されています。特に2020年に発生した事故では、出航時にロープが切れて、地上の係員が大けがを負いました。この事故を受けて、高松海上保安部は船の運航管理に対する厳正さを求めるとともに、さらなる安全対策を強調しました。

航路の現在の状況

最終的に、内海フェリーはその経営体制の見直しを進めていく中で、所有船の全てを売却し、清算の準備を進めています。もともと地域に根差した企業としての役割を果たしてきましたが、今後は小豆島方面の交通手段が他の航路に委ねられることになります。地域住民や観光客にとっての利便性の再検討が期待されるところですが、特に高速船の再開については今後の課題として残されています。

もう一度検索