内田るり子

内田るり子（うちだ るりこ）は、1920年8月8日に東京で生まれ、1992年5月1日にその生涯を閉じた、日本の声楽家であり、民俗音楽研究者です。彼女は、日本の伝統音楽、特に民謡の研究に深く貢献しました。

経歴

内田は、1942年に東京音楽学校（現東京藝術大学音楽学部）声楽科を卒業しました。その後、教育者としてのキャリアをスタートさせ、1952年に山形大学の助教授に就任。その後、1954年に日本女子体育短期大学、1956年には国立音楽大学へと移り、助教授、そして教授として後進の指導にあたりました。1962年にはウィーン大学哲学科に留学しましたが、後に中退しています。

内田の研究活動は、1983年に『奄美民謡とその周辺』で第1回志田延義賞を受賞したことで広く知られるようになりました。この研究は、奄美の民謡文化を深く掘り下げたもので、その後の研究に大きな影響を与えました。1991年には、長年の功績が認められ、国立音楽大学名誉教授の称号を授与されました。また同年、彼女の博士論文「奄美民謡とその周辺」が國學院大學より文学博士号を授与され、その学術的貢献が改めて評価されました。

内田の門下からは、著名な歌手であるペギー葉山が輩出されています。彼女の指導は、音楽界に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

著書

内田は、研究活動の成果を数多くの著書として発表しています。

『ヨーロッパに歌を求めて』（音楽之友社、1964年）
『田植ばやし研究』（雄山閣出版、1978年）
『奄美民謡とその周辺』（雄山閣出版、1983年）
『沖縄の歌謡と音楽 Ethnomusicological considerations』（第一書房、1989年）

これらの著書は、彼女の音楽に対する深い理解と、民俗音楽研究への情熱を示すものです。

編纂

内田は、深井史郎の歌曲集の編纂も手がけています。

* 『深井史郎歌曲集』（全音楽譜出版社、1971年）

論文

内田は、数多くの論文を発表しており、その業績は高く評価されています。

内田るり子は、声楽家、教育者、そして民俗音楽研究者として、日本の音楽文化に多大な貢献をしました。彼女の研究は、現代においても多くの研究者や音楽家に影響を与え続けています。

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