内田俊一 (建設官僚)

内田 俊一（うちだ しゅんいち）氏は、1948年（昭和23年）9月29日にこの世に生を受け、日本の建設行政に深く関わった元建設官僚です。また、京都市の助役を務めた経験も持ちます。

鹿児島県で育った内田氏は、著名なラ・サール高校を卒業後、東京大学法学部に進学。1972年（昭和47年）3月に同大学を卒業すると、同年4月には建設省（現国土交通省）に入省しました。官僚としての道を歩み始めた彼は、まず大臣官房人事課でキャリアをスタートさせ、その後の東北地方建設局用地部用地第一課長を経て、若くして要職を経験しました。1980年には千葉県へ出向し、企画部企画課長として地方行政に携わります。この千葉県庁在任中には、幕張新都心の開発事業にも深く関与し、大規模プロジェクトの推進に貢献しました。

中央に戻ってからは、計画局建設業課、国土庁長官官房などで様々な役職を歴任。建設経済局建設業課では、建設業構造改善対策官や建設市場アクセス推進室長といった専門的なポストを務め、建設産業の課題解決に取り組みました。1990年からは京都市へ出向し、助役として再び地方自治体の運営に携わるなど、中央と地方の双方で幅広い経験を積みました。

建設省に戻った後、住宅局民間住宅課長、住宅総務課長を経て、省内の主要ポストである大臣官房政策課長に就任。政策立案の中核を担いました。1999年からは内閣官房へ派遣され、内閣参事官室の内閣参事官として、国家的な課題に対応しました。2001年1月には内閣官房内閣総務官室の内閣総務官に昇任。続く2003年7月には内閣広報官に就任し、政府の情報発信責任者として重要な役割を果たしました。

キャリアの集大成として、2006年7月28日には内閣府の事務方トップである内閣府事務次官に就任。国の重要政策の推進や内閣府の組織運営を統括しました。2008年7月1日に官僚としてのキャリアを終え、退官。

官界を離れた後も、その豊富な経験と識見は各界で求められました。2009年9月1日には、新たに設置された消費者庁の初代長官として就任。消費者行政の基盤づくりに尽力しましたが、2010年8月11日に同職を退任しました。その後も、2011年7月1日には建設業界の発展を支援する建設業振興基金の理事長に就任し、建設産業の振興に貢献。さらに、2018年7月18日からは国立京都国際会館の館長を務めるなど、多方面で活躍を続けています。

長年にわたる公職での功績が認められ、2018年11月3日には瑞宝重光章を受章しました。

内田氏の経歴は、建設省を起点としながらも、地方自治体、内閣官房、内閣府、消費者庁など、国の根幹に関わる多様な組織で要職を歴任した点に特徴があります。特に、政策企画、地方行政、広報、消費者行政といった幅広い分野での経験は、彼が多角的な視点と柔軟な対応能力を持っていたことを示しています。これらの経験は、退官後の様々な分野での活動にも活かされています。

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