内田順久

内田 順久（うちだ よりひさ）は、1960年3月5日に神奈川県横浜市で生まれた、日本の著名なアニメーター、そしてキャラクターデザイナーです。

アニメーションの世界に足を踏み入れたきっかけは、熱心なアニメファンとしての情熱でした。高校時代から制作スタジオに足繁く通っていた彼は、大学1年生の時、テレビアニメ『未来ロボ ダルタニアス』の監督であった長浜忠夫氏から直接「そんなにアニメが好きなら、実際にやってみたらどうだ」と声をかけられます。そして突然、動画制作の担当を任され、アニメーターとしてのキャリアをスタートさせました。

デビュー作『ダルタニアス』でメカシーンの動画を担当したことから、内田氏はその描写において非凡な才能を発揮します。この経験を機にメカ作画を得意とするようになり、『機動戦士Ζガンダム』ではプロデューサーからメカニカル作画監督という重要なポストを任されるに至りました。キャリアの初期においては、主に日本サンライズ（現：サンライズ、バンダイナムコフィルムワークス）が制作する作品を中心に活動を展開しました。

しかし、キャリアの転換点が訪れます。『機動戦士ガンダムΖΖ』の制作に並行する形で、同僚の牧野行洋氏と共にアダルトアニメ『リヨン伝説フレア』を手がけることになった際、彼は初めてキャラクターデザインに挑戦します。本作は、アニメーション制作を担当したAICの高い作画技術と、著名な声優陣が実名で出演したことで大きな話題を呼びました。この成功が内田氏のキャラクターを描く能力にも光を当て、一般向け作品においてもキャラクターデザイナーとしての依頼が増えることとなります。

キャラクターデザイナーとしての代表作には、『獣神ライガー』や『機甲警察メタルジャック』があります。特に『機甲警察メタルジャック』では、作品自体の人気と相まって、氏がデザインした端正な美形キャラクターたちが多くの、特に女性アニメファンから高い評価を受け、内田順久の名前はキャラクターデザイナーとしても広く知られるようになりました。

内田氏はアニメーター、キャラクターデザイナーとしてだけでなく、監督やプロデューサーとしても活動しています。監督作品にはOVA『ガイ -妖魔覚醒-』（1988年）や『リヨン伝説フレア2・禁断の惑星』（1990年）があり、2007年には『癒してあげルン、西遊記』で企画・プロデューサーも兼任しました。また、アーケードゲーム『ときめき麻雀パラダイス〜DEAR MY LOVE〜』（1997年）や、ゲーム『70年代風ロボットアニメ ゲッP-X』（1999年）、『SDガンダム GGENERATION モノアイガンダムズ』（2002年）でもキャラクターデザインを手掛けています。

その他、多岐にわたる作品に様々な立場で参加しています。作画監督としては『機甲戦記ドラグナー』、『宇宙の戦士』、『獣戦士ガルキーバ』、そして『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』シリーズ（11、ZERO）や、『フルメタル・パニック!』、『神無月の巫女』など数多くの作品で活躍しました。また、『無敵ロボ トライダーG7』（動画）、『聖戦士ダンバイン』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『機動戦士ガンダムF91』（原画）といった名作にもアニメーターとして名を連ねています。アダルト作品のプロデューサーを務めた経験もあります。

メカ作画のスペシャリストとして出発し、キャラクターデザインでも確固たる地位を築き、さらに監督やプロデューサーまでこなす内田順久氏は、日本の多様なアニメーション作品を支え続けるベテランクリエイターの一人と言えるでしょう。自身の活動は個人サイト「内田の野望」などで発信されています。

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