内線規程

内線規程について

概要

内線規程（ないせんきてい）は、電気設備に関する保安と安全を確保するために制定された基準で、日本国内における電気工作物の設計や施工、維持、検査に関連する内容を包括しています。この規程は、一般用および自家用の電気工作物について適用され、特に特別高圧の部分を除いた技術基準を満たすように求められます。内線規程は、電力会社がその施設における電気工事を適切に審査し、検査するための重要な基準としても位置づけられており、電気の法規にも準拠しています。

歴史

内線規程の歴史は1924年に始まります。この年、東京電燈株式會社によって初版が発行されました。この初版は、当時の電力供給会社による電気工事社内基準として位置づけられています。その後、年々改訂が重ねられ、異なる社会状況や技術の進展に合わせて数十回にわたる改訂が行われました。例えば、1949年には大規模な改正が実施され、経済情勢や技術の進歩に基づく内容の見直しが行われました。そして1996年以降は「一般社団法人日本電気協会」が編纂を担当し、最新の基準を持つ規程が提供されています。

目的と内容

内線規程は、義務的事項と予備規程の二つのカテゴリーに分かれています。義務的事項は、電気設備の技術基準を解釈し、安全に必要な要件として定めたもので、これに従わない場合は電力会社の検査に合格せず、電気の供給を受けることができません。一方、予備規程は勧告的・推奨的な内容で、必ずしも守らなければならないわけではありませんが、遵守が期待される項目です。

JEAC 8001-2016の目次

内線規程の最新版であるJEAC 8001-2016には、以下のような章立てがあります。

• - 1編 総則

1章 定義
2章 適用範囲
3章 保安原則
4章 公害等の防止

• - 2編 構内電線路の施設

1章 電線路の感電火災等の防止
2章 支持物の倒壊による危険の防止
3章 危険な施設の禁止
4章 供給支障の防止

• - 3編 電気使用場所等の施設

1章 低圧配線方法
2章 電灯及び家庭用電気機械器具の施設
3章 低圧の電動機、加熱装置及び電力装置の施設
4章 特殊場所の施設
5章 特殊施設
6章 電灯及び家庭用電気機械器具の配線設計
7章 低圧の電動機、加熱装置及び電力装置の配線設計
8章 高圧受電設備・高圧配線及び高圧機械器具

入手方法

内線規程は書籍として一般に販売されていますが、各電力会社ごとに別冊の付録が異なりますので、それぞれに独自のISBNが付与されています。たとえば、北海道電力はISBN 978-4-88948-371-0、東京電力はISBN 978-4-88948-373-4に対応しています。

まとめ

内線規程は、電気設備の安全確保に欠かせない重要な基準であり、その歴史や内容を理解することで、より安全な電気の使用が促進されるでしょう。この基準が広く認識されることは、電力供給の安心を支える基盤となるのです。

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