内舘秀樹

内舘秀樹は、1974年1月15日に埼玉県浦和市（現在のさいたま市桜区）で生まれました。浦和北高校、仙台大学を経て、1996年に浦和レッズに入団しました。

現役時代のポジションは主にディフェンダーとミッドフィールダーで、そのユーティリティ性が彼の大きな特徴でした。プロ入り当初は控え選手としての出場が多かったものの、2002年には30試合以上に出場し、レギュラーの座を掴みました。

2003年にはハンス・オフト監督にキャプテンに指名され、チーム初のタイトルとなるナビスコカップ優勝を果たしました。この時、地元出身の生え抜き選手がタイトルを掲げたことは、大きな話題となりました。その後は再び控えに回ることが多くなりましたが、怪我人が続出したディフェンスラインの穴を埋めるスーパーサブとして、チームを支えました。2006年には、終盤にレギュラーDFが相次いで離脱した影響でディフェンスラインに入り、チーム初のJリーグ優勝に貢献しました。

2007年シーズン以降は出場機会が徐々に減少し、2008年のシーズン終了間際にチームの若返り方針により、長年チームを支えた岡野雅行と共に戦力外通告を受け、現役を引退しました。引退を否定していたものの、前年の最終節セレモニーで「正直、浦和から離れることはできない」と引退を示唆する発言もしていました。2009年からは浦和レッズの広報スタッフに転身し、その後、2013年からは浦和レッズのジュニアコーチ、ジュニアユース（U15)コーチなどを経て、2020年からジュニアユース監督を務め、育成年代の指導に情熱を注いでいます。

内舘選手は、その豊富な経験と多様なポジションをこなせる能力から、チームメイトから「無職」というニックネームで呼ばれていました。2001年のヴィッセル神戸戦では、相手選手からスローインをぶつけられるというアクシデントに見舞われましたが、自身は怒らずに周りの選手に任せたというエピソードも残っています。また、2007年のマンチェスター・ユナイテッド戦では、名手ファン・デル・サールも反応できないほどの強烈な無回転ミドルシュートを決めて、観客を魅了しました。

中学時代の1年後輩には、同じく浦和レッズで活躍した阿部敏之や室井市衛がいます。2000年には2人が鹿島アントラーズから浦和レッズに移籍し、共にプレーする機会にも恵まれました。2008年には、交通事故を起こしてしまい、相手に怪我を負わせてしまうというアクシデントもありました。

所属クラブ

ユース経歴
1982年 - 1985年: 西浦和サッカースポーツ少年団
1986年 - 1988年: 浦和市立田島中学校
1989年 - 1991年: 埼玉県立浦和北高等学校
1992年 - 1995年: 仙台大学
プロ経歴
1996年 - 2008年: 浦和レッドダイヤモンズ

個人成績
その他の公式戦
2004年 Jリーグチャンピオンシップ 1試合0得点
2007年 スーパーカップ 1試合0得点
その他の国際公式戦
2007年 A3チャンピオンズカップ 3試合0得点

出場歴
Jリーグ初出場 - 1996年9月28日 J第21節 対アビスパ福岡戦(厚別)
Jリーグ初得点(J2) - 2000年3月19日 J2第2節 対湘南ベルマーレ戦(平塚)
J1初得点 - 2002年9月18日 J1 2nd第4節 対柏レイソル戦(駒場)

指導歴
2013年 - 浦和レッドダイヤモンズ
2013年 - 2014年 ジュニアコーチ
2015年 - 2016年 ジュニアユースコーチ
2017年 ジュニアユースコーチ・ジュニアアカデミー
2018年 ジュニアユースコーチ・ジュニアコーチ・ジュニアアカデミー
2019年 ジュニアユースコーチ
2020年 - 2022年 ジュニアユース監督
* 2023年 - アカデミーダイレクター

内舘秀樹は、選手としてはもちろん、指導者としても浦和レッズに貢献し、その功績は多くのファンに記憶されています。

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