円明講堂

円明講堂（えんめいこうどう）は、中華人民共和国上海市静安区に位置する、由緒ある浄土宗の仏教寺院です。

歴史

1933年、篤志家の顧蓮成夫婦が所有していた不動産を寄進したことがきっかけとなり、この寺院が建立されました。翌1934年には、著名な僧侶である円瑛によって浄土宗の道場として正式に開かれ、その教えが広められる拠点となりました。

1945年には、「楞嚴専宗学院」が円明講堂内に設置され、仏教の研究と教育がさらに進められるようになりました。1948年には、上海円明仏学院が設立され、僧侶の育成に力が注がれました。

しかし、1966年に毛沢東による文化大革命が始まると、円明講堂もその影響を大きく受けました。講堂の不動産は工場に収用され、一切の宗教活動が禁止されるという苦難の時代を迎えました。

1982年5月、地元政府の尽力により、寺院の修復作業が開始され、再建への道が開かれました。1983年には、明公上人が円瑛法師の功績を記念し、紀念堂を建立しました。同年、中華人民共和国国務院は円明講堂を漢族地区仏教全国重点寺院の一つとして認定し、その重要性が改めて認められました。

伽藍

円明講堂の境内には、以下の主要な建物があります。

円明講堂: 本堂として、様々な法要や儀式が執り行われる中心的な建物です。
観音殿: 観音菩薩を祀るお堂で、多くの参拝者が訪れます。
円瑛法師紀念堂: 円明講堂の創設者である円瑛法師を記念して建てられたお堂です。
蔵経閣: 仏教経典を収蔵する建物で、貴重な文献が保管されています。

主な住僧

円明講堂には、以下の著名な僧侶が住職を務めました。

円瑛
明暘法師
明公上人
照誠

円明講堂は、その長い歴史の中で、多くの人々に心の安らぎを与え、仏教の教えを広める重要な役割を果たしてきました。現在も、多くの参拝者が訪れる、上海を代表する仏教寺院の一つです。

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