円頓寺

円頓寺商店街について

円頓寺（えんどうじ）は、名古屋市西区那古野に位置する商店街で、長久山圓頓寺の門前町としての歴史を持っています。このエリアは、商業活動を通して地域の文化や伝統が色濃く息づいており、訪れる人々に昔ながらの雰囲気を感じさせます。

歴史の流れ

円頓寺の歴史は昭和時代まで遡ります。堀川に架かる五条橋から西へ向かう道を「圓頓寺筋」と呼ぶのがその始まりで、南側には真宗高田派名古屋別院があり、そこから「御本坊筋」とも名付けられました。圓頓寺や慶栄寺がこの地に移転してきたのは享保9年（1724年）のこと。元々この地域は武家屋敷が多く存在し、徳川義直の側室・貞松院の下屋敷もありました。

現在、円頓寺商店街は名古屋市道江川線を境に分かれており、円頓寺通と円頓寺本町通というふたつの商店街にに構成されています。明治時代には東海道本線の開通が、町の発展に寄与し、工場も立地するようになりました。この結果、商店街も町の西側へと広がり、活気を呈しました。

1920年から1930年代にかけて、周辺には飲食店や日用品店などが増え、特に瀬戸線や江川線の利用者が主な顧客となり、夜間に賑わう盛況な場所となりました。しかし、1945年の名古屋大空襲で慶栄寺などが被害に遭ったことも影響し、町並みの一部が残ることになりました。それでも、近年では昔の情緒が感じられる町並みとして新たな価値が見直されています。

現代の円頓寺

昭和30年代以降、堀川駅や市電が廃止されたことから商店街は衰退の一途をたどりますが、最近では名古屋城の城下町の雰囲気が新たな注目を集め、散策コースとして人気を再び得ています。特に「円頓寺七夕まつり」や「中日ドラゴンズ応援ビールかけ」などの独自のイベントが地域の魅力を引き出しています。

近年の活性化の一環として、「那古野下町衆」が2007年に結成され、商店街の空き家対策や商業の再生に向けた取り組みが進められています。また、映画祭の開催や映画制作プロジェクトの進行など、地域文化の創出も図られています。

2013年には三英傑と水戸黄門のモニュメントが設置され、地域の象徴として観光客にも親しまれています。そして2015年には商店街のアーケードが大規模に改修され、明るく快適な空間が生まれました。

姉妹提携を結んだパリの商店街「パサージュ・デ・パノラマ」との交流イベントも開催され、国際的な繋がりも育まれています。近年では「あいちトリエンナーレ2019」の会場にもなり、アートと地域密着の取り組みが進んでいます。

まとめ

円頓寺は、名古屋市の歴史と地域文化の中心であり、商店街としての役割を果たしています。古き良き時代の面影を残しつつ、現代に合った取り組みで賑わいを見せるこの場所は、訪れる人々にとって新たな発見と楽しみを提供し続けています。

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