冠位二十六階

冠位二十六階についての詳細な解説

概要

冠位二十六階（かんいにじゅうろくかい）は、664年から685年の間に日本で導入された官位制度です。この制度は、前の冠位十九階を改正したもので、後に冠位四十八階によって廃止されました。あまり知られれていない部分も多いこの制度について、詳しく見ていきましょう。

天智天皇3年の2月9日、当時の天皇である中大兄皇子（のちの天智天皇）が弟の大海人皇子（のちの天武天皇）に宣命を出しました。この宣命により、冠位の他にも氏上や民部（かきべ）、家部についても同時に述べられています。この宣命は「甲子の宣」とも呼ばれ、制定された冠位の体系が明確になりました。

『日本書紀』によると、冠位二十六階は、26段階に分類され、各位はそれぞれの名称で示されています。具体的には、大織や小織、さまざまな色の冠などが含まれます。これは、従来の制度よりも、かなり細やかな分類がなされていることを示しています。

制度の変遷

この冠位制度は、天智天皇と天武天皇の2代にわたって施行されましたが、670年代には一部の改正が行われた可能性があります。具体的には、内位と外位の区別が新たに設けられ、また皇族への特別な位も設定されました。また、冠位の増加は、官職の整備が進み、そしてその結果として上下関係が複雑化したためだとも考えられています。

冠位二十六階では新しい位として、大錦や小錦、大山や小山、そして大乙や小乙などが加えられ、合計で12の新しい冠位名が設けられました。これにより、合計で26階に及ぶ冠位が成立しました。この制度は、官職の種類が増えるとともに、社会内部の階層の複雑さを反映しています。

冠位の対照関係

冠位二十六階の制度は、前の冠位十九階と確実に関係がありますが、その後の冠位四十八階との名称の変化が見られるため、直接的な対応関係は不明確です。特に、叙位される人が僅かに小紫以上の位に懸念されるような新しい名称が、どう再構築されたのかは研究の余地があります。

施行の詳細

『日本書紀』を歴史的観点から検討すると、天武天皇2年以降には新たな冠位が施行され、特に地方出身者に対して外位としての冠位が授与されました。この制度の導入により、地域の豪族が天武天皇の時代に受け入れられ、天智天皇との関係も考慮された施政が進められたと言えます。

この制度の詳細や確固たる証拠が存在しないため、正確な時期や背景については解明されていない部分も多いですが、天智天皇の時代における法度や制度が天武天皇政権下でも重要な位置を持っていたと考えられています。

参考文献

冠位二十六階についての詳細な理解には、様々な文献や研究が役立ちます。特に『日本書紀』や、現代の学者による研究など、多角的な視点からこの制度を捉えることが、理解を深める鍵となるでしょう。特に小島憲之や武光誠のような研究者の学説には、興味深い情報が多数含まれています。

もう一度検索