外位

外位（げい/がいい）とは

外位とは、律令制において、中央の貴族・官人に与えられた内位に対して、傍系とみなされる位階体系の一つです。

外位の成立と変遷

日本の外位制は、新羅の制度を模倣し、遅くとも天武天皇の時代には成立していたとされています。しかし、八色の姓による貴族・豪族の再編によって、一旦は姿を消すことになります。その後、大宝律令の制定時に、唐の視品制を参考に復活しました。

日本では、五位から初位までの5階にそれぞれ正・従・上・下が付き、合わせて20階で構成されました。最上位は外正五位上、最下位は外少初位下です。

外位の対象者

外位は主に、地方豪族や農民などから郡司、軍毅、国博士、国医師などの地方官に登用された者や、蝦夷や隼人などの有功者に授与されました。また、722年以降には、辺境防衛や官寺造営のために私財を提供した者にも与えられるようになりました。

内位との違い

内位と外位の最大の違いは、内位が主に古くからの有力豪族に由来する中央貴族に与えられ、三位以上の公卿に昇進して顕官に就くことができるのは内位を持つ者のみであった点です。一方、外位を持つ者は、国衙において内位を与えられて地方に派遣された中央貴族出身の国司の下で使役される立場であり、外位に四位以上がないことからも明らかなように、内位を持つ中央貴族に取って代わることはできないように位置づけられていました。

内・外階制の確立

728年の格によって、外位の性格は大きく変化しました。中央官人の出自・門地・姓によって昇進経路が分けられ、外位の五位は内位の五位に比べて位田や位禄が半分と規定されるなど、事実上「中央貴族に留まる層」と「除外される層」に区別されるようになりました。

具体的には、正六位上から直ちに従五位下に昇進する「内階コース」、外従五位下に昇進する「外階コース」、両方の可能性を持つ「内・外両階コース」に分けられるようになりました。この結果、内階コース及び内・外両階コースに進めたのは権力の中枢を構成する少数の姓氏に限られ、大半は外階コースで中・下級官人として生涯を送ることが事実上決定づけられました。

745年頃には、内・外階制の整理が行われ、真人・朝臣、および有力な宿禰（大伴氏・佐伯氏など）に内階コースが限定され、それ以外の宿禰や姓は外階コースとされる原則が立てられました。

外位の衰退

平安時代中期以降、外階コースを歩む中・下級官人層が事実上消滅し、外位が与えられる例は稀になりましたが、形式的には室町時代頃まで外位の概念は残っていたと考えられています。

関連項目

官位
位階
官職
勲等

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