金子真人

金子真人（かねこ まこと）

金子真人（1945年生まれ）は、日本を代表する実業家であり、競走馬の馬主としても知られています。株式会社図研の代表取締役会長として、電子機器設計およびソフトウェア開発の分野で多大な成功を収め、競馬界でも独特な地位を築いてきました。

経歴

金子は1968年に早稲田大学教育学部数学科を卒業後、武藤工業に入社しました。当初は営業部に配属されましたが、その後、コンピュータ開発部門に異動。数々のプロジェクトに参加し、造船・地図作成用の自動製図機の商品化に成功します。しかし、会社のソフトウェアに対する認識の低さに失望し、自らの道を切り開くことを決意します。

1976年、金子は同僚4人と共に武藤工業を退社し、神奈川県横浜市に「図形処理技術研究所」を創業しました。早くも1978年には初のCAD/CAMシステム「CR-1000」を開発し、日本国内で初めての製品となりました。その後も、数々の製品を投入し、業績を伸ばし続けました。

図研は順調に発展し、1991年には東証二部上場、翌1994年には東証一部上場も果たしました。金子は、会社の成長の一環として全社員に無償で株を贈与するなど、従業員への配慮も忘れませんでした。さらに2004年には、ハワイのゴルフ場を購入し、「キングカメハメハ・ゴルフ・クラブ」として改装しオープンしました。

競馬界での活動

金子の競馬界デビューは1990年代半ばで、競走馬の所有者としても名を馳せています。彼が所有する馬の中で特に有名なのは、無敗の三冠馬ディープインパクトです。ディープインパクトは2005年に皐月賞、東京優駿（日本ダービー）、菊花賞を制し、さらにその後も数々のGIレースで勝利を収め、競馬界のレジェンドとなりました。

競走馬の所有に関しては、多くの名馬を輩出しています。アパパネやディープインパクトなど、数々のクラシックレースを制覇した馬たちを所有し、特に2021年にはソダシが札幌記念を制し、JRA重賞通算100勝を達成しました。また、金子は、自身が所有する馬の子供も積極的に所有し続けるというスタンスを取っています。これにより、競馬界での影響力をさらに強めています。

金子が馬を選ぶ際には、特にその「目」に焦点を当てています。自身の馬選びは目から始まるといい、「目のいい馬は案外見つけづらいが、目つきの悪い馬は見分けやすいため、そういった馬には手を出さない」と説明しています。競馬への情熱は深く、ただの投資ではなく、自身の経営や管理方針に反映されています。

主な業績と影響力

金子の足跡は、実業家として、また馬主としての両面で確固たるものです。競馬の旧八大競走完全制覇や、無敗の三冠制覇を達成するなど、日本の競馬史に大きな影響を与えています。特に、ディープインパクトを父に持つアカイトリノムスメが秋華賞で制覇したことは、彼の馬主としての地位をさらに強固なものにしました。

金子真人はその経歴からもわかるように、実業界と競馬界の両方で成功を収めた稀有な存在であり、今後のさらなる活躍が期待される人物です。

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