冨上芳秀

冨上 芳秀（とかみ よしひで）

1948年6月2日生まれの冨上芳秀は、和歌山県和歌山市で生まれた日本の詩人です。彼は詩の発行人としての役割を持ち、特に「詩遊」という季刊誌の創刊に尽力しました。また、現代詩の振興に貢献するため、日本現代詩人会の会員としても活動しています。その経歴の中で、大阪文学学校では詩部門の講師として若い才能の育成にも力を入れてきました。

経歴

冨上は和歌山県立桐蔭高等学校を卒業後、1971年に和歌山大学教育学部を卒業しました。詩活動を本格的に開始するため、1974年には松村信人や波多野真志とともに同人誌「位相」を創刊し、全十号を発行しました。その後、1975年には沢木進や雨森安雄と「仮称・同世代アンソロジィの会」を設立。この会では、詩作品や評論を通じて交流を深め、現代詩文庫の月次の研究会を開催しました。

1980年に入ると、冨上は「詩的現代」という詩誌の創刊号に参加。さらに同年9月には、大阪文学学校の講師に就任しました。1983年には、自身の詩集も発表する傍ら、沢木進らとともに「GEN詩KEN」を創刊。1984年から1986年にかけて、大阪文学学校の機関誌にて詩誌評の執筆を始めました。これは、後に「樹林」と改題される機関誌でした。

1991年、冨上は大阪文学学校の経済的再建を図るため、編集長に就任します。翌年には、この取り組みが功を奏し大幅な購読者増を果たし、再建の兆しを見せました。1996年には昼の詩講座を担当し、以降も詩書評を執筆し続けます。2004年には季刊「詩遊」を創刊し、文学を広める役割を果たしました。

国際的な交流も重要な活動の一環であり、2008年にはアメリカ・ワシントンD.C.で開催された「日米韓と音楽交流会」に参加し、詩「書物」を朗読。さらに2010年には韓国・ソウルで「日韓詩と音楽交流会」に参加し、詩「仮面」を披露しました。

著書

冨上の詩的作品は多岐にわたり、彼の著作リストには以下の重要な詩集や評論集が含まれています。

• - 詩集:

- 『トマト』（位相出版社、1977年）
- 『聖母の月』（紫陽社、1980年）
- 『大和川幻想』（七月堂、1984年）
- 『馬氏の鳥』（イオ・ブックス、1987年）
- 『熊楠のスカラベ』（詩遊社、1996年）
- 『アジアの青いアネモネ』（詩遊社、2007年）
- 『言霊料理』（詩遊社、2008年）
- 『祝福の城』（詩遊社、2011年）
- 『真言の座』（詩遊社、2014年）
- 『かなしみのかごめかごめ』（詩遊社、2015年）
- 『蕪村との対話』（詩遊社、2016年）
- 『恥ずかしい建築』（詩遊社、2017年）
- 『白豚の尻』（詩遊社、2018年）
- 『芭蕉の猿の面』（詩遊社、2020年）
- 『言葉遊びの猟場』（詩遊社、2022年）

• - 評論集:

- 長編評論『安西冬衛／モダニズム詩に隠されたロマンティシズム』（未来社、1989年）

関連項目

• - 大阪文学学校

外部リンク

• - 大阪文学学校「講師紹介」

冨上芳秀の活動は、詩文の世界にもたらした新しい視点や方法論で多くの支持を受けており、彼の詩は多くの読者に感動を与え続けています。

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