冬来たる (ゲーム・オブ・スローンズ)

冬来たる (Winter Is Coming)

『冬来たる』（Winter Is Coming）は、HBOの大人気ファンタジー・テレビドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の記念すべき第1話であり、シーズン1『七王国戦記』の幕開けとなるエピソードです。このエピソードは、デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスが原作『七王国の玉座』に忠実に脚本を書き、ティム・ヴァン・パタンが監督を務めました。

あらすじ

物語は、ウェスタロス大陸の複数の場所で同時進行していきます。中心となるのは、エダード・スタークが領主として治める北部のウィンターフェル。そして、もう一つの舞台は、〈狭い海〉を渡ったエッソス大陸で、亡命中のターガリエン家の生き残りが暮らす場所です。

〈壁〉の向こう側

物語は、〈冥夜の守人〉の3人の哨士が、王国の北端にそびえる巨大な氷の〈壁〉の向こう側を偵察する場面から始まります。彼らは、〈壁〉の北に住む自由民〈野人〉の死体を発見し、さらに超自然的な怪物と生き返った〈野人〉を目撃します。哨士の二人は殺されてしまいますが、生き残ったウィルは脱走し、物語の重要な伏線となります。

キングズランディング

キングズランディングでは、〈王の手〉ジョン・アリンの亡骸が〈沈黙の修道女〉に処理されているのを見て、サーセイ王妃と双子の弟ジェイミーは不安に駆られます。ジョンが死ぬ前に危険な情報を漏らしたのではないかと心配する二人。しかし、ジェイミーは、もし漏洩していればすでに処刑されているはずだとサーセイをなだめます。

〈北部〉

ウィンターフェルでは、スターク家の人々が紹介されます。領主のエダード、妻のキャトリン、長男ロブ、長女サンサ、次女アリア、次男ブラン、三男リコン、そしてエダードの落とし子ジョン・スノウです。エダードは〈冥夜の守人〉の脱走兵ウィルが捕まったことを知らされます。彼は息子たちを連れて、ウィルの処刑を見学させます。ウィルは処刑を受け入れますが、ホワイト・ウォーカーを見たと言い残します。エダードは自ら剣を振るい、首を刎ね、処刑した者は自ら剣を振るうべきだとブランに教えます。

帰り道、スターク家の父子は、死んだ牡鹿とダイアウルフの死骸、そして生きていた仔狼を見つけます。ダイアウルフがスターク家の紋章であること、そして仔狼の数がスターク家の子供たちと同じであったことから、それぞれ仔狼を飼うことになります。

ウィンターフェルに戻ると、エダードは先代の〈王の手〉であるジョン・アリンが亡くなったという知らせを受け取ります。その後、ロバート王がウィンターフェルにやって来ます。ロバートはエダードに、彼を新たな〈王の手〉に任命し、サンサとジョフリーの婚約を提案します。その夜、キャトリンは妹ライサからの手紙を受け取り、ジョン・アリンがラニスター家に殺されたのではないかと疑います。エダードは旧友ロバートを助けるために、〈王の手〉の就任を決意します。

高い場所が好きなブランは、古い塔に登り、そこでサーセイとジェイミーの近親相姦を目撃してしまいます。秘密を守るため、ジェイミーはブランを塔から突き落とします。

狭い海の向こう側

一方、エッソス大陸では、亡命中のヴィセーリス・ターガリエンが、妹デナーリスをドスラク人の族長カール・ドロゴと結婚させようとしています。デナーリスは恐れを抱きますが、兄に諭されます。結婚式で、デナーリスはジョラー・モーモントから七王国の書物を、イリリオ・モパティスからドラゴンの卵を贈られます。

製作

パイロット版

シリーズの製作は2007年1月に始まりました。HBOは映像化権を取得し、デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスをプロデューサー兼脚本家として雇いました。パイロット版は、トム・マッカーシー監督によって撮影されましたが、キャスト変更や芸術的な理由から、このパイロット版はお蔵入りとなりました。その後、ティム・ヴァン・パタンが監督に就任し、一部のシーンを流用しながら新たに撮影されました。

脚本

脚本は、デイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイス自身が執筆し、原作の第一部『七王国の玉座』のプロローグや初期の章に基づいています。ドラマ版では、原作と異なり、ウィルが生き残るという変更が加えられています。また、ラニスター家の双子の視点、カール・ドロゴがデナーリスの意思を無視した性行為、婚礼初夜のシーンなどが追加されました。

撮影

イリリオ・モパティスの邸宅外のシーンは、マルタ大統領の夏宮殿で撮影されました。ウィンターフェルの中庭は駐車場、ワインセラーは地下墳墓として使用されました。レナ・ヘディが妊娠中だったため、セックスシーンには代役が使われました。ダイアウルフが殺した牡鹿のシーンでは、実際に2日前に死んだ牡鹿を使用しました。

評判

視聴者数

初回放送では220万人が視聴し、同夜の再放送でさらに200万人が視聴しました。その後、6度の再放送で120万人以上が視聴し、合計で680万人に達しました。

国外

HBOカナダでは、アメリカと同時に放送されました。イギリスとアイルランドでは、Sky Atlanticで放送され、75万人が視聴しました。ラテンアメリカでは、2011年5月8日から放送され、ニュージーランドのDominion Postでは、ファイル共有サービスを通じて放送前にダウンロードされていたと報じられました。

賞

ティム・ヴァン・パタンは、2011年プライムタイム・エミー賞の監督賞ドラマシリーズ部門にノミネートされました。また、メイクアップ賞シングルカメラ・ドラマシリーズ部門にもノミネートされました。

参照

スター・チャンネル 『ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
ワーナー・ブラザース DVD&Blu-ray 『ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
Official U.S. website HBO

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