冷害

冷害とは

冷害（れいがい）とは、例年よりも気温の低い状態が続くことで発生する自然災害です。特に日本では、北海道や東北地方などの北日本において、冷夏となり稲作に大きな被害をもたらすことが多いです。

冷害の要因

冷害は、様々な要因が複合的に作用して発生します。

異常気象: エルニーニョ現象などの影響による異常気象が原因となることがあります。
火山噴火: 火山噴火によって大量の火山灰が大気中に放出され、太陽光を遮ることで気温が低下することがあります。過去には、ラキ[[火山]]や浅間山、ピナトゥボ山の噴火などが冷害の原因になったと考えられています。大規模な噴火では、温室効果ガスも放出されますが、粉塵や液体微粒子による日射遮蔽効果の方が大きく、結果的に気温低下を招きます。
気圧配置: 日本に冷夏をもたらす気圧配置として、北東気流型（やませ型）と北西気流型（寒冷セル型）があります。オホーツク海高気圧の勢力が強い場合、北海道から関東地方にかけてやませという冷たい北東風が吹き付け、特に東北地方の太平洋側では、夏でも気温が上がらず冷害の原因となります。

冷害の影響

冷害が発生すると、農作物の生育に悪影響を及ぼします。特に稲作においては、もみの数が決定する時期や花粉の基礎が作られる時期に低温が続くと、稲が十分に実らなくなる「障害型冷害」が発生しやすくなります。1993年には記録的な大冷害が発生し、米の収穫量が大幅に減少しました。

関連情報

冷害についてより詳しく知りたい方は、以下の情報源もご参照ください。

冷夏: 冷害と関連して発生する、夏季の異常な低温現象について解説します。
猛暑（酷暑）: 冷害とは対照的な、夏季の異常な高温現象について解説します。
干害: 冷害と同様に、農作物に被害をもたらす自然災害である干害について解説します。
やませ: 冷害の原因となる冷たい北東風であるやませについて解説します。
飢饉: 冷害によって食糧不足が発生し、飢饉につながるメカニズムについて解説します。
天明の大[[飢饉]]: 浅間山の噴火が原因で発生した、江戸時代の飢饉について解説します。
水稲農林1号: 冷害に強い品種として開発された水稲農林1号について解説します。

外部リンク

東北農業研究センター 水稲冷害研究チーム
図説：東北の稲作と冷害
『冷害』 - コトバンク
水谷武司. “冷害”. 防災科学技術研究所. 2022年2月13日閲覧。

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