凱旋門 (1948年の映画)

映画『凱旋門』

作品概要

『凱旋門』（原題: Arch of Triumph）は、1948年にアメリカで公開された劇映画です。第二次世界大戦後のハリウッドで制作されたこの作品は、1946年から1947年にかけて撮影が行われ、翌年の封切りを迎えました。

本作の基となっているのは、ドイツの作家エーリヒ・マリア・レマルクによる同名の長編小説です。原作は、戦間期のパリを舞台に、亡命したドイツ人医師と謎めいた女性の切ない愛の物語を描いており、世界的ベストセラーとなりました。この珠玉の物語を映画化したのが、名匠ルイス・マイルストン監督です。

主演を務めたのは、当時の映画界を代表する二大スター、イングリッド・バーグマンとシャルル・ボワイエです。この二人の顔合わせは、観客の大きな注目を集めました。特に、バーグマンとボワイエは、本作の4年前に公開されたサスペンス映画『ガス燈』（1944年）でも共演しており、二度目のタッグとなりました。前作での見事な演技の応酬が、再び本作でも期待されました。

制作スタッフ

この映画の制作には、当時のハリウッドを支えた多くの熟練したスタッフが携わっています。ルイス・マイルストン監督は、監督としてだけでなく、脚本にもその名を連ねています。主要な制作スタッフは以下の通りです。

製作総指揮：チャールズ・アインフェルド、デヴィッド・L・ロウ
製作：デヴィッド・ルイス
監督：ルイス・マイルストン
脚本：ルイス・マイルストン、ハリー・ブラウン
音楽：ルイス・グルーエンバーグ
撮影：ラッセル・メティ
編集：W・ダンカン・マンスフィールド
プロダクションデザイン：ウィリアム・キャメロン・メンジース
美術：ウィリアム・フラネリー
イングリッド・バーグマンの衣裳：イーディス・ヘッド

製作総指揮のチャールズ・アインフェルドとデヴィッド・L・ロウがプロジェクトを統括し、デヴィッド・ルイスがプロデューサーを務めました。視覚面では、ラッセル・メティが撮影監督として光と影を巧みに操り、ウィリアム・キャメロン・メンジースがプロダクションデザインを担当して作品の世界観を構築しました。美術はウィリアム・フラネリー、編集はW・ダンカン・マンスフィールドがそれぞれ担当し、作品の完成度を高めています。また、主演女優イングリッド・バーグマンの魅力的な衣装は、著名なデザイナーであるイーディス・ヘッドが手掛けたことでも知られています。音楽はルイス・グルーエンバーグが担当し、物語の情感を豊かに表現するスコアを提供しました。

日本での放送履歴

『凱旋門』は、日本でも公開され、特にテレビでの放送を通じて多くの映画ファンに親しまれました。フジテレビでは、異なる時期に二つのバージョンが放送されています。

フジテレビ版1: 初回放送は1962年1月1日の元日でした。当時のテレビ番組『テレビ名画座』の枠内で、午後3時から午後5時2分にかけて放送されました。この時代のテレビ放送は、多くの名作洋画が家庭に届けられる貴重な機会でした。

フジテレビ版2: 二度目の放送は、それから14年後の1976年12月31日に行われました。この放送は、フジテレビの看板番組であった『ゴールデン洋画劇場』の枠内で行われました。

長年にわたり、日本でも愛され続ける『凱旋門』は、名作文学の映画化、二大スターの共演、そして熟練したスタッフワークによって生み出された、映画史に名を刻む一作と言えるでしょう。

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