出口すみ

出口すみの生涯とその影響

出口すみ（でぐち すみ）は、1883年2月3日に京都府綾部町にて生まれ、1952年3月31日にこの世を去った日本の宗教家です。彼女は新宗教「大本」の第二代教主として知られ、霊的な指導者としての地位を確立しました。彼女の夫である出口王仁三郎は、大本の創始者であり、彼女自身も大本の教えを広める重要な役割を果たしました。出口すみの教育や宗教活動は、特に彼女の人生と共に大本が直面した困難な時期と切り離せません。

幼少期と結婚

出口すみは、五女として生まれ、早い段階からその運命が宗教と結びついていることが予感されました。彼女は1900年に16歳という若さで、出口王仁三郎と結婚します。この結婚が彼女の人生の転機となり、後に大本の二代教主としての道を歩むことになります。

二代教主としての活動

1918年、出口なおが死去すると、出口すみは二代教主の地位を引き継ぎます。彼女は、大本の教義を続けながら信徒たちを支え、教団をまとめる重要な役割を果たしました。しかし、彼女の教団は日本の政権に対する脅威とみなされ、数度の事件に見舞われます。特に1921年、王仁三郎が逮捕された第一次大本事件は、教団にとって大きな打撃となりました。

その後も1942年には治安維持法違反で起訴されますが、第二審で無罪判決を受けます。それでも、大本は依然として困難な状況の中にあり、出口すみはその中で教団の復旧に尽力しました。

戦後の復興と晩年

太平洋戦争が終わると、不敬罪が消滅し、大本は新たなスタートを切るチャンスを得ました。1946年には王仁三郎が「愛善苑」を結成し、出口すみも教団の再建に尽力しましたが、1948年に彼が逝去します。この時、出口すみは二代苑主としてその後の活動を始め、みろく殿の再建に注力しました。彼女の情熱は教団の礎となり、多くの信者に影響を与えました。

1952年、出口すみは69歳で永遠の眠りにつくこととなります。その3日後には、彼女が手がけたみろく殿の上棟式が執り行われ、その功績が讃えられました。

芸術への関心と評価

出口すみは宗教家としてだけでなく、書家としても高く評価されました。陶芸家の北大路魯山人は、彼女の書に感銘を受け、彼女の作品を自宅に飾るほどでした。魯山人は、彼女の書に対して特別な感覚を持っていたと記録されており、その高い評価は彼女の芸術的側面が大本の教意を表現する手段としても機能していたことを示唆しています。

著作

出口すみの著作は、彼女の思想や信念を知るための貴重な資料です。主な著書には『おさながたり』(1998年)、『ぼっかぶりのうた』(2002年)、『教主御教示集 出口すみこ二代教主』(2008年)などがあります。これらの著作を通じて、彼女の教えや生き方を知ることができます。

結論

出口すみは大本の歴史における重要な人物であり、彼女の影響力は今もなお多くの人々に受け継がれています。彼女の宗教的な活動や芸術的な表現は、大本の精神を形作る基盤となり、後世に大きな影響を与え続けています。

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