出来高給

出来高給とは

出来高給（できだかきゅう）とは、労働者が生産した成果物の量や、行った作業量に応じて賃金が支払われる制度です。請負給とも呼ばれます。

時間給との違い

時間給は、労働時間に応じて一定の賃金が支払われるのに対し、出来高給は、実際に生産された量や作業量に応じて賃金が支払われます。そのため、労働者はより多くの賃金を得るために、生産性を上げようと努力する傾向があります。

出来高給のメリット

• - 労働者の生産性向上意欲を高める
• - 成果が直接賃金に反映されるため、労働意欲の向上につながる
• - 企業にとっては、人件費を成果に連動させることができる

出来高給の問題点

• - 使用者側による出来高単価の切り下げが行われる場合がある
• - 労働者側が生産量を調整し、使用者側に単価の引き上げを要求するなどの行為が起こる場合がある
• - 労働時間ではなく、成果を重視するあまり、労働者の健康や安全が損なわれる可能性がある

日本における出来高給

日本においては、1890年代以降、親方や頭領による作業請負制とセットで広まりました。当初は鉱山で生産性を高める方法として導入されましたが、その後、他の産業にも広がっていきました。しかし、日露戦争以降は作業請負制が後退し、能率給制度へと移行していきました。

労働基準法における出来高給

日本の現行労働基準法では、出来高払制や請負制で労働者を雇用する場合、使用者は労働時間に応じた一定額の賃金を保障することが義務付けられています。そのため、固定給のない「完全出来高払制」は禁止されています。これは、労働者の生活の安定を図るための措置です。

出来高給から能率給へ

出来高給は、生産量に応じて賃金が決まるというシンプルな仕組みですが、様々な問題点も抱えていました。そのため、基準生産量や標準作業時間を科学的な方法で割り出し、賃金制度を改革することによって、現代的な能率給制度が確立されていきました。能率給は、出来高給の要素も取り入れつつ、より公平で労働者のモチベーションを高く保てる制度として、多くの企業で採用されています。

まとめ

出来高給は、労働者の生産性を高める可能性がある一方で、労働条件の悪化や労働者間の不公平感を生み出す可能性も孕んでいます。そのため、導入にあたっては慎重な検討と、労働者の意見を十分に反映させることが重要です。

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