出水海軍航空隊

出水海軍航空隊

出水海軍航空隊は、日本海軍に属する部隊および教育機関であり、特に太平洋戦争の激化に伴い、航空要員の大量育成を目的として設置されました。1942年に設立され、初歩練習部隊として活動を開始しました。その後、整備訓練のための第二出水海軍航空隊も設立され、複数の部隊が役割を分担していました。

第一出水海軍航空隊

第一出水海軍航空隊は、1940年に鹿児島県出水郡出水町と高尾野町の水田地帯を利用して出水飛行場が整備されたことに始まります。当初は、鹿屋飛行場や大村飛行場の補助として機能していましたが、飛行要員養成の必要性から、初歩練習部隊の設置が行われました。この地は、著名な作家阿川弘之の小説「雲の墓標」にも登場する場所としても知られています。

開隊とその後

1943年4月15日、第一出水海軍航空隊が開隊され、第十二連合航空隊に編入されました。1944年には、国分分遣隊が設置され、さらに鹿児島空からの飛行士が続々と入隊するなど、部隊は徐々に拡張しました。1945年の2月には、部隊が解隊され光州に移転することになりましたが、その際には訓練の継続が許可されました。

主力機種

この部隊では、九三式中間練習機や紫電、零戦、雷電、彩雲など、多種多様な航空機が利用され、海軍予備学生たちが訓練に励みました。また、部隊の司令を務めたのは美濃部貞功大佐などで、彼の指導の下で多くの航空要員が育成されました。

第二出水海軍航空隊

第二出水海軍航空隊は、1944年に設置され、最初は人吉海軍航空隊の分遣隊として機能していましたが、その後独立した部隊として活動を開始しました。開隊当初は飛行訓練が停止されており、整備教育に特化する形で従事しました。

鎮守府移籍と解隊

しかし、1945年3月には十八連合航空隊が解散し、第二十二連合航空隊に移籍しました。続いて、B-29による爆撃が行われ、整備訓練は凍結されることになり、訓練生たちは戦闘部隊に振り向けられることとなりましたが、最終的には終戦を迎えました。

戦後の出水基地

出水飛行場は、その後沖縄戦において特攻作戦が展開され、260名以上の特攻隊員が命を落としました。それに対する連合軍の攻撃によって、出水飛行場の施設は破壊され、再び耕作地として利用されることになりました。特攻隊の慰霊碑や一部の掩体壕などは今なお現存していますが、当時の施設はほとんど残っていません。出水の歴史は、このようにして終戦を迎えましたが、地名や関連施設にはその名残が残っているのです。

光州海軍航空隊

移転後、第一出水海軍航空隊は全羅南道光州へと移り、能力訓練を継続しました。光州での活動は短期間に留まりましたが、その地でも多くの兵士が航空要員としてのスキルを磨きました。戦後、光州海軍航空隊も解隊され、出水海軍航空隊の存在は日本の航空史の中で重要な役割を果たしました。


出水海軍航空隊の歴史を振り返ると、激動の歴史の中で多くの航空要員が羽ばたく場であったことが分かります。平和な時代になった今も、その記憶は地域に根づいており、今後も語り継がれることでしょう。

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