出羽の里

出羽の里（でわのさと）

出羽の里は、2004年に山形県で開発されたイネの品種であり、特に酒米としての特性が評価されています。この品種は、「出羽燦々」を父方の親に、「吟吹雪」を母方の親に持ち、二つの品種を交配させて生み出されたものです。

酒米としては、山形県の2017年産において銘柄として選ばれ、2022年には生産量が17位にランクインしています。出羽の里は、主に「美山錦」や「出羽燦々」といった他の酒米と並ぶ形で、山形県の酒造りにおいて重要な役割を果たしています。

この品種が開発された背景には、酒造用米の多様性を増すことを目的とし、特に冷たい気候に強いという特性が求められました。そのため、出羽の里は2016年の山形県における醸造用米の作付面積において、11.1%を占め、出羽燦々や美山錦に次ぐ3位という圧倒的な人気を誇っています。

品種名の「出羽」は、出羽燦々から引用されたものであり、酒米の生産地であることを意味しています。出羽の里の特性としては、中生の晩の熟期を持ち、倒れにくさは中程度ですが、耐冷性が非常に強い点が挙げられます。また、耐病性もやや強く、これにより作物の安定供給が期待されます。

千粒重は25.9gで、大粒の米粒を結実しますが、心白発現率も高くなっています。ただし、心白が大きいため、高精米にはあまり向いていないという特性も見受けられます。

出羽の里はその特性や人気から、酒造りにおける重要な品種の一つとなることが期待されており、冷たい地で育まれたその味わいが多くの人々に親しまれています。この米を使用した酒は、個性豊かで、山形の気候や風土を反映したものとなるでしょう。様々な酒蔵で利用されている出羽の里は、これからも日本酒業界に大きな影響を与えていくことが予想されます。

出羽の里の魅力はその味わいだけでなく、米作りに込められた地域の思いや技術が表現されているところにもあります。故郷の自然環境と農家の知恵を活かして育てられたこの米は、どのような酒に仕上がるのか、一つ一つの製品に注目が集まります。日本の酒文化を支える存在として、引き続き大切に育てられることでしょう。

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