出羽街道

出羽街道について

出羽街道は、かつての越後国村上（現在の新潟県村上市）と出羽国鶴岡（現在の山形県鶴岡市）を結んでいた主要な街道の通称です。この道は、日本海沿いを走る浜通り（北陸道、北国街道、出羽街道浜通り、羽州浜街道などとも呼ばれる）と並行して、内陸部を通るルートとして利用されていました。そのため、浜通りと区別するために「出羽街道山通り」と呼ばれることもあります。

歴史

1645年（正保2年）に作成された『越後国絵図』によると、出羽街道は村上城下の札の辻（現在の村上市大町交差点付近）を起点とし、内陸を北上して出羽国の鶴ヶ岡城下に至る道とされています。起点から国境の堀切峠までの総距離は、約40キロメートル（10里10町53間）と記録されています。

宿場

出羽街道には、以下のような宿場が点在していました。

猿沢宿（現・村上市猿沢）：旧街道沿いには、約9メートル（5間）ほどの地割で家々が立ち並び、現在も水路が残っています。
塩野宿（現・村上市塩野町）：この宿場には、米沢藩の代官所が置かれていました。
中村宿（現・村上市北中）：俳人、松尾芭蕉が宿泊したと伝えられています。
小俣宿（現・村上市小俣）：戊辰戦争で大きな被害を受けましたが、その後再建された家々には屋号の看板が掲げられています。

峠

出羽街道には、以下の峠があります。

葡萄峠
大沢峠：石畳が残っており、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選ばれています。歴史的な景観が保全されています。
カリヤス峠
堀切峠：越後国と出羽国の国境にある峠です。

現在の出羽街道

現在、出羽街道の大部分は国道7号と重複しており、自動車での通行が可能です。しかし、宿場や峠の一部には、かつての街道の面影を残す場所も存在します。特に大沢峠のように、石畳が残る場所はハイキングコースとしても人気があります。これらの場所を訪れることで、歴史を感じながら自然を楽しむことができます。

出羽街道を歩く

出羽街道は、歴史的な景観や自然を満喫できる魅力的な道です。村上市観光協会などのウェブサイトでは、出羽街道のウォーキングマップや観光パンフレットが提供されており、散策の参考にすることができます。また、塩野町地域まちづくり協議会では、地域の歴史的な場所に関する情報も提供しており、より深く出羽街道の魅力を知ることができます。

参考文献

村上市歴史的風致維持向上計画
佐藤憲明、岡崎篤行 (2006-12). “新潟県岩船郡における歴史的建造物群の残存状況と外観特性 一下越地方の街道沿いを対象として（その1）一”. 日本建築学会計画系論文集第610号 pp.141－146.
渡邉 篤史 (2016-02). “新潟県下越地方における歴史的建造物群の残存状況と外観特性 －町屋を中心とした町並みに着目して－”. 新潟大学 学位論文.

関連項目

街道
北陸道（北国街道、出羽街道浜通り）・羽州浜街道
国道7号
日本国 (山)

外部リンク

出羽街道 - 村上市
出羽街道（小俣～大沢） - 村上市観光協会
観光パンフレット - 村上市観光協会
出羽街道ガイドMAP (PDF)
出羽街道ウォーキングマップ - 新潟県村上地域振興局 企画振興部
* 塩野町地域まちづくり協議会：塩野町地域のお宝箇所情報 - 村上市

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