出逢った頃の君でいて

『出逢った頃の君でいて』

『出逢った頃の君でいて』は、内館牧子の原作による作品で、漫画、小説、テレビドラマとして展開され、多くの視聴者や読者の心を捉えました。1991年から1994年にかけて刊行されたこの作品は、それぞれのメディアで異なる魅力を持ち、多くの人々に深い感動を与えてきました。

漫画版

この作品の漫画版は、1991年4月から7月にかけて、雑誌「mimi」に連載されました。作画を担当したのは沖野ヨーコ氏で、全3巻の単行本としてまとめられています。掲載された時期は、時代背景や流行も色濃く反映されており、当時の読者にとって新鮮な視点を提供しました。

小説版

続く1993年4月1日には、内館自らが執筆した小説版も講談社文庫から出版されました。この小説は、登場人物の心情や背景を掘り下げることで、物語の深みを増し、読者に強いメッセージを届けました。

テレビドラマ版

さらに、1994年4月13日から6月29日まで、日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ版も注目を集めました。全12話のこのドラマは、主に水曜ドラマ枠で放送されたため、多くの視聴者が毎週楽しみにしていたことでしょう。ドラマは、実際にモロッコでの撮影も行われており、独特な雰囲気が物語を一層引き立てました。

あらすじ

物語は、父を亡くした主人公のOL・ナナ（演：酒井法子）が、モロッコで駐在している圭介（演：陣内孝則）に案内されるところから始まります。ナナは次第に圭介に魅かれていく一方で、圭介の妻・恭子（演：中川安奈）と後輩・山瀬（演：風間トオル）の不倫関係を知ってしまいます。山瀬が関係を圭介に告白すると、圭介は家族のために再構築を試みますが、息子・雅彦が実は山瀬の子供だという真実が明らかになり、混乱に陥ります。

ナナは圭介を支え、彼が再起する手助けをする中で、二人は愛を実感します。しかし運命は残酷で、圭介はモロッコでの自動車事故により命を落とします。絶望に打ちひしがれたナナは、自らの命を絶とうと考えますが、母の美子（演：加賀まりこ）に励まされ、圭介が愛した「出逢った頃のままの自分」で生きる決意を固めます。

主なキャスト

• - 三輪圭介：陣内孝則（商社のモロッコ駐在員）
• - 大里ナナ：酒井法子（商社OL）
• - 山瀬和彦：風間トオル（人事課長）
• - 三輪恭子：中川安奈（圭介の妻）
• - 大里美子：加賀まりこ（ナナの母）

その他にも多くのキャストが脇を固め、ドラマに彩りを添えていました。音楽は、S.E.N.S.が手がけ、主題歌には竹内まりやの「純愛ラプソディ」が起用されています。

サウンドトラック

本作のオリジナル・サウンドトラックは1994年5月25日にリリースされました。

『出逢った頃の君でいて』は、愛と裏切り、再生の物語を通じて、視聴者や読者に深い感動をもたらし、今なお多くの人々に親しまれています。

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