OL

OL（オフィスレディー）

OLは「オフィスレディー」の略で、主に女性の事務職や会社員を指す和製英語です。この言葉は1963年に誕生し、当時の日本社会における女性の役割や地位を象徴しています。その背景には、戦前から続く職業婦人の歴史が存在します。

OLの歴史

OLという言葉が広まり始める以前、女性が社会で働く姿は徐々に一般化してきました。大正時代から昭和初期には「職業婦人」という言葉が使われ、医師や教師、婦人運転手など様々な専門職で活躍する女性たちが増えてきました。また、1920年代には事務員やデパートガール、エレベーターガールなど、会社勤めの女性も多く見られるようになりました。

戦後、女性の働く場はさらに広がり、特に東京の丸の内地域では多くのビジネス街が形成されました。1950年代には、家電製品の普及が進み、女性の家事負担が軽減される中で、働く女性が増加していきます。この時代、BG（ビジネスガール）という言葉が使われていましたが、性の連想から来る否定的なイメージにより1970年代に次第に使用が減少していきました。

OLの誕生と普及

OLという概念が生まれた背景には、1964年の東京オリンピックを控えた時代の流れがあります。NHKはBGの使用を停止し、代替語を公募しました。その結果、週刊誌『女性自身』が行った投票で「OL」という言葉が選ばれ、徐々に世間に浸透していきました。

しかし、実際には「OG（オフィスガール）」が1位だったことが後に明らかになっています。社会的にはOLという言葉が定着するまでに時間を要しましたが、1970年代に入ると、オフィスで働く女性を指す一般的な語として認知されるようになりました。この頃には、優秀な女性を指す「キャリアウーマン」という言葉も登場し、女性の社会進出が広がっていく様子が見受けられます。

現在のOLの位置づけ

1990年代には現役OLたちによるグループユニット「OH!エルズ」が登場し、話題を呼びました。また、OLという言葉は、仕事を持つ女性の象徴として広く認知され、テレビや出版物でも頻繁に使用されるようになりました。

英語圏においてOLは「office worker」や「company employee」という表現に相当しますが、特に女性を指す場合は単に「female」を付け加えることが一般的です。したがって、OLという言葉には特別な意味合いがあるのです。

結論

OLという言葉は、日本における女性の働く地位の変遷を象徴する存在です。かつての職業婦人から現代のOLまで、女性の労働環境や社会的地位は大きく変化しましたが、今なお多くの女性が職場で活躍しています。OLの歴史を振り返ることで、現在の働く女性の位置づけや彼女たちの役割に対する理解を深めることができるのではないでしょうか。

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