函館市交通局3000形電車

函館市交通局3000形電車

函館市交通局3000形電車は、1993年（平成5年）に函館市交通局（現在の函館市企業局交通部、通称：函館市電）に導入された路面電車車両です。27年ぶりの新車として、2000形電車と同時にデビューしました。

概要

3000形は、2000形を基本とした車体構造を持ちながら、いくつかの点で大きく異なっています。特筆すべきは、北海道の路面電車としては初の冷房装置と回生ブレーキを搭載したことです。これにより、乗客の快適性が向上し、省エネルギー運転も可能になりました。また、側窓が一段下降式であることや、運行開始当初の塗色が青地に白であったことも、2000形との外観上の違いとして挙げられます。

冷房装置は、21,000kcal/hのCU776-G1形ユニットクーラが採用されました。集電装置には、PT7101-Aシングルアームパンタグラフが搭載されています。

車両には愛称が付けられており、3001号は公募により「マリンブルー号」、3002号は「マリンブルー号Ⅱ」と呼ばれていました。

製造

3000形は全車、アルナ工機（現：アルナ車両）で製造されました。

3001 - 1993年（平成5年）3月
3002 - 1994年（平成6年）3月
3003 - 1995年（平成7年）3月
3004 - 1996年（平成8年）3月

大規模改修

運行開始から20年以上が経過し、車体床下の腐食が目立つようになったため、2015年度から2019年度にかけて、函館市交通経営計画（第2次）に基づき、東京都の京王重機整備で車体改修が実施されました。各車両の施工時期は以下の通りです。

3002 - 2015年度（11月 - 3月）
3001 - 2017年度
3004 - 2018年度（10月 - 3月）
3003 - 2019年度

主な修繕・改良点は以下の通りです。

車両床下部分の腐食箇所修繕
ヘッドライトをハロゲン式からLED式へ変更
前面行先・系統表示器のLED化
座席モケットの張り替え
運賃表示器を液晶ディスプレイに交換
VVVFインバータの更新

広告塗装

函館市電では多くの車両に企業広告が施されています。2019年（令和元年）10月以降、3000形は全面ラッピング広告の対象から外れ、車体側面のみ広告として使用できる部分ラッピング広告の対象となっています。2023年（令和5年）12月現在の各車両の広告主は以下の通りです。

3001 - 復刻マリンブルー号
3002 - 「HK-R函太郎」
3003 - 「株式会社五勝手屋本舗」
3004 - 「函館タナベ食品(株)」

3000形は、冷房化や回生ブレーキの導入など、函館市電の近代化に大きく貢献した車両です。大規模改修を経て、現在も函館の街を走り続けています。

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