アルナ工機

アルナ工機株式会社の概要

アルナ工機株式会社（アルナこうき）は、かつて兵庫県尼崎市に存在した工業製品メーカーです。阪急電鉄の子会社として設立され、鉄道車両やアルミサッシなどの製造を行っていました。2002年には事業が分割され、アルナ車両、アルナ輸送機用品、アルナバン（現・アルナ矢野特車）の各社へ事業が引き継がれました。

設立と初期の歴史

この企業は1947年に設立され、当初はナニワ工機株式会社という名称でした。当時、戦後の復員技術者の雇用確保を目的に、関西の大手私鉄である京阪神急行電鉄（後の阪急電鉄）の子会社となり、鉄道車両の製造を手がけていました。社名は、創業時の本社所在地が兵庫県尼崎市北難波であったことに由来しています。

ナニワ工機は、阪急電鉄だけでなく、東京へ進出した小林一三と親密であった初代根津嘉一郎が率いた東武鉄道との取引も多く、特に路面[[電車]]の製造において多くの実績を积んでいました。1948年には、阪急550形電車が製造され、以後の全車両が同社によって製造されました。

主な製品と技術

1950年代には、軽量で堅牢な鉄道車両や、船舶、建材用のアルミサッシの開発にも取り組みました。特にアルミの接合技術においては、日本で初めてフラッシュバット溶接を採用した「NK式（ナニワ式）窓」は、多くの事業者に好まれ、圧倒的な市場シェアを持つことになりました。

また、1954年には京阪神急行電鉄向けの軽量車体の開発を始め、後に奈良電気鉄道デハボ1200・1350形電車など、地方私鉄向けにも設計・製造を行いました。これにより、路面[[電車]]の製造でも高性能の車両を多数供給し、会社の成長を支えました。

事業の展開と変遷

1960年代に入ると、住宅用建材分野にも進出し、「アルミのナニワ」というブランド名で事業を展開。1970年には社名を「アルナ工機株式会社」に変更し、金属加工製品分野でも拡大を続けました。同社の製作した大階段は宝塚歌劇団でも使用されるなど、様々な分野で活躍しました。

1970年代には、コンテナ製造にも参入し、国際的な需要に応えることができました。しかし、1990年代には経営に課題が生じ、不採算部門をトーヨーサッシに売却するなどの対応を余儀なくされました。

最終的な状況

2002年、アルナ工機は事業を分割し、清算会社へ移行しました。最後に製造された鉄道車両は黒部峡谷鉄道1000形客車であり、これまでの技術と歴史を色濃く残しています。現在、アルナの名を冠する他の企業も存在し、かつての栄光をしっかり引き継いでいます。アルナ工機の歴史は、鉄道車両や建材業界に多くの影響を与えており、その技術力と革新性は今もなお多くの人々に支持されています。

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