函館市青函連絡船記念館摩周丸

函館市青函連絡船記念館摩周丸

函館市に位置する青函連絡船記念館摩周丸は、かつて青函航路で運行されていた津軽丸型連絡船「摩周丸」を博物館船として展示している施設です。この博物館は、地域の鉄道と航路の歴史を知ることができる貴重な場所であり、内部の一部には現役当時の設備も残されています。

摩周丸の概要

摩周丸は1965年に就航し、青函連絡船としての任務を果たしてきました。初期の塗装は薄緑と乳白色でしたが、竣工直前に新幹線の色に合わせて藍色とクリーム色に塗り替えられました。その後は、数回の塗装変更が行われましたが、基本的な外観は保たれ続けました。

船体の設計では、軽量化を図りつつ、安全性にも配慮された工夫が凝らされています。特に、寝台車の運送を見据えた構造が特徴で、当初はそれが実現しませんでしたが、旅客の乗降を容易にするための設備が実装されました。

歴史的な運航

青函航路での運航は1965年から1988年にかけて行われました。この間、摩周丸は多くの旅客を運び、時には鉄道の不通時に他の船舶と共に代行輸送の役割を担うこともありました。特に1975年の台風6号による運行停止時には、函館 - 室蘭間での代行輸送に利用されました。

また、摩周丸は1987年の国鉄分割民営化後もJR北海道に引き継がれましたが、1988年に運航を終了しました。終航後は函館市と他団体の協力により、観光地としての活用が始まりました。

保存と展示

終航後、摩周丸は函館シーポートプラザの一部として展示され、1991年からは「メモリアルシップ摩周丸」として一般公開が開始されました。その後、函館市が船体の所有権を引き継ぎ、2003年には「函館市青函連絡船記念館摩周丸」としてリニューアルオープンしました。

施設内は、青函連絡船の歴史や船の仕組みを学ぶための展示が行われており、実際に船内を見学できるようになっています。特に注目されるのは、操舵室や無線通信室の実物展示です。また、汽笛も復元され、特定の時間に鳴らされるため、往時の雰囲気を感じることができます。

アクセス

摩周丸へのアクセスは非常に便利で、JR北海道の函館駅から徒歩わずか3分という立地です。観光の合間に気軽に訪れることができます。船に乗った時の記憶や青函連絡船の歴史を辿る旅として、この施設はおすすめです。

まとめ

日本の交通史において重要な役割を果たしてきた青函連絡船。函館市青函連絡船記念館摩周丸では、その歴史を身近に感じることができる貴重な体験が待っています。訪れることで、歴史を学びつつ、航海の世界を覗くことができるでしょう。

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