分水嶺 (テレビドラマ)

『分水嶺』とそのリメイク『過去のない女たち』

日本のテレビドラマ『分水嶺』は、1977年に放送され、後に1982年に『過去のない女たち』としてリメイクされました。これらの作品は、山岳と登山を通じた愛の物語を描き、特に主人公の心の葛藤が描写されています。

概要

物語の中心にいる井沢良介は、北西建設の設計課で働く青年です。彼はある日、飲みに誘われたバーで、亡くなった恋人に似た女性、橋本芳江に出会います。実は、彼の婚約者であった瀬川阿紀は5年前に遭難死した過去を持っています。この偶然の出会いは、良介の心に深い影響を与え、彼は芳江に強く惹かれてしまいます。

本作の原作者は高橋玄洋で、彼自身が10年以上温めていた素材であり、1982年には自らリメイクを手掛けています。リメイクとなる『過去のない女たち』は新しいキャスティングと設定を通じて、同じテーマを新たな視点で描きました。

あらすじ

井沢良介が日常生活で優秀な成績を収める中、この物語の鍵となる出来事が発生します。ある時、義父の榊原教授が課長昇進内定を伝えますが、良介は嬉しさの反面、心に不安を抱えていました。そんな矢先、彼は取引先の社長・橘仙吉に誘われてバーへ行き、そこで橋本芳江の姿を見かけます。

芳江の容姿は、かつての婚約者・阿紀と非常に似ていました。阿紀とは10年以上前に甲武信ヶ岳を登った際に事故に遭い、以来彼女の悲劇は良介の心に深い傷を残しています。彼は彼女の面影を持つ芳江に心を奪われ、彼女の過去を知りたくなります。

井沢は芳江をマンションに住まわせた後、彼女の過去を調査しましたが、芳江は記憶喪失の状態でした。様々な手を尽くし、阿紀を知る人々を訪ね歩く中で、ほくろの位置を手がかりに二人の正体が同一であることが明らかになります。

記憶を取り戻すため、井沢は様々な思い出の地を訪れますが、芳江の記憶はなかなか戻らなかったのです。この二人の愛と再生の物語は、悲劇がもたらす苦悩や希望について深く掘り下げています。

テレビドラマについて

1977年版

『分水嶺』は、毎日放送によりTBS系列で1977年に放送されました。全13話で構成されており、多くの視聴者の心をつかみました。オープニングでは、物語のテーマが印象的に表現されていました。

キャスト

井沢良介：近藤正臣
瀬川阿紀（橋本芳江）：香山美子
井沢佐智子：梶芽衣子
橘仙吉：内田朝雄
他、多数。

スタッフ

原作、脚本は高橋玄洋が手掛け、プロデューサーには財前定生や加藤哲也が名を連ねています。主題歌はヒデとロザンナによる「追想」で、松任谷由実が作詞を担当しました。

1982年版

その後リメイクされた『過去のない女たち』は、金曜ミステリー劇場として放送され、全5話で構成されています。このリメイク版ではキャラクターの設定やストーリー展開が変更され、特に心理的な要素が強調されています。

キャスト

井沢良介：北詰友樹
橋本芳江：高樹澪
他、多数。

このように、『分水嶺』と『過去のない女たち』は、時代を超えて視聴者に愛の複雑さや人間関係の深さを問いかける素晴らしい作品です。

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