分部光嘉

分部 光嘉 - 武将としての生涯

分部光嘉（わけべ みつよし）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて璀璨とした武将・大名です。彼は1552年に伊勢国で誕生し、豪族・細野藤光の次男として育ちました。彼の一族、細野氏は長野氏の分家であり、特に長野地区で影響力を持ち続けました。光嘉は養父である分部光高の意向で分部家の家督を継ぎ、その後、織田信包に仕官しました。

織田信包に仕官

光嘉は、信包の命令によって上野城主となり、さらには彼が築城に深く関わることになります。特に、安濃津城の完成後は光嘉が上野城の城代として仕えつつ、名も知れた武将として名を馳せることとなります。天正9年の第二次天正伊賀の乱においてもその勇名を上げました。本能寺の変以降も光嘉は信包の側に留まり、松ヶ島城の戦いでは顕著な活躍を見せました。

忠誠と独立の時代

文禄3年、信包の近江移転に伴い、光嘉は独立を果たしました。特に文禄4年には秀吉から3000石を賜り、独立大名としての第一歩を踏み出しました。さらに加増を重ねて1万石以上の大名となり、勢力を拡大させていきました。

関ヶ原の戦い

慶長5年、光嘉は徳川家康に従軍し、関ヶ原の戦いでは安濃津城を守備しました。西軍の攻撃に対し耐え抜き、最終的に開城を決断することになります。しかしこのときの功績が後の評価に繋がり、戦後には高い評価を受け本領安堵の上で1万石の加増となりました。これにより、伊勢上野藩の大名として名を馳せることとなります。

晩年と死去

その後、彼は慶長6年11月29日に死去します。享年50歳で、彼が受けた傷が影響したとされています。子息分部光勝が早世したため、外孫である光信が後を継ぎます。光嘉の生き様は、彼が誠心誠意をもって田畑を耕したことからも伺え、その功績は今も語り継がれています。

文化財としての刀

光嘉所持の刀、名物「分部志津」は文化財としても有名です。この刀は南北朝時代の作とされ、彼が徳川家康に献上したことから通称がつきました。刀剣の歴史を彩る名刀であり、今なお日本の文化遺産としてその存在感を放っています。

彼の生涯は、忠誠心と独立を併せ持ったものとして、多くの人々に語り継がれることでしょう。分部光嘉は、単なる武将にとどまらず、豊臣政権下で名を馳せた稀有の大名として、後世にその名を残しています。

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