分銅鎖

分銅鎖の概要

分銅鎖とは、両端に錘が付けられた鎖の形状を持つ武器で、別名としては万力鎖や鎖十手、玉鎖などがあります。この武器は、流派によってそのデザインや長さが異なり、場合によっては物干し竿のような長さになることもあります。また、小型の分銅鎖は、隠し武器として暗器に利用されることもあります。

特徴と種類

分銅鎖の設計は流派ごとに異なります。例えば、気楽流のものでは、全長2尺4寸の鈴型分銅が付いたモデルが存在し、折りたたむことで掌の中に収めて隠すことが可能です。一方、6尺の長分銅鎖は、遠くの敵に大きく振り回して打ち付けるために用いられます。さらに戸田流においては、片手で使える全長2尺8寸の撫四角柱型分銅鎖が特徴的です。

使用方法

分銅鎖の使用法は流派によって変わりますが、通常は錘と鎖の接続部分を持ったり、衣服の下に隠して持ち運びます。攻撃のスタイルには、遠心力を利用した近距離での殴打や遠距離での攻撃、さらには絞め技等が含まれます。また、応用技として居合や投擲もあります。

この武器は主に護身用に設計されており、敵の刃物を絡め取って落としたり、分銅を足元に投げつけて相手をひるませ、その隙に逃げるといった目的で使われます。この他にも、捕り物としての応用も多く見られます。

主な流派

分銅鎖は多種類の流派によって使用され、それぞれの流派に独自の技術とスタイルが存在します。代表的な流派には、以下のものがあります：

• - 正木流（万力鎖）
• - 気楽流
• - 荒木流
• - 後藤流
• - 戸田流
• - 禁心流
• - 本覚克己流
• - 神道流
• - 疋田流
• - 明府真影流

各流派は、その特性を活かした様々な技法を開発しており、分銅鎖を武器として扱う際のスタイルや戦術が異なります。

参考文献

• - 『歴史群像シリーズ【決定版】図説・日本武器集成』（学習研究社）

関連項目

• - 鎖鎌
• - 鎖打棒
• - 棍飛
• - 棍平
• - 微塵
• - 流星錘
• - 鎖龍蛇

分銅鎖は、その運用の多様性と流派の豊かさから、日本の伝統的な武器の一つとして重要な位置を占めています。

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