切目川

切目川（きりめがわ）について

切目川は、紀伊半島南西部を流れる二級水系の本流として、和歌山県中北部を潤す重要な河川です。全長約35km、流域面積は75.6平方キロメートルで、印南町の三里ヶ峰付近（標高768.5m）から西へ流れ始めます。その後、中流域では南西へと流れ、最終的に太平洋へと注ぎます。特に、海に注ぐ部分は大きく蛇行しており、湿地や砂州が発達しています。

地理と土地利用

切目川の上流部は、山林が約90%を占めており、残りの約9%は農地、及び河口付近の宅地利用から成り立っています。流域には国道425号線が通っており、一部険しい道路も整備されていますが、近年では整備が進み、アクセスが向上しています。この地域の農業は、特にセンリョウやエンドウの生産が活発です。また、上流に位置する真妻地区は、かつてはワサビの名産地として知られていましたが、環境の変化や水害によって衰退してしまいました。しかし現在、再びその産業が復興を目指しています。

水と洪水管理

切目川の河川環境は非常に多様で、雨季には洪水が頻繁に発生し、農作物に深刻な被害を与えています。そのため、洪水調節を目的とした切目川ダムが2015年に完成しました。このダムは、水道水源や農業用水を確保するための重要な役割も果たしています。加えて、渇水や干魃に対する備えとしても機能しています。

生態系と観光

川の上流部は清流として評価され、地元の人々に愛されています。町では鮎の放流を行っており、鮎釣りのスポットとしても人気があります。また、沿岸には観音堂があり、その境内には清流が流れています。この場所は、眼病に効く水として伝承されているため、訪れる人々に親しまれています。さらに、流域には熊野古道紀伊路の四王子が残存しており、特に切目王子は訪れる者にとって重要な存在となっています。

交通と地域のつながり

切目川流域は、和歌山県のさまざまな交通手段と繋がっています。国道425号線や和歌山県道202号古井西の地線があり、地元住民や観光客が方便に移動できるようになっています。このように、切目川は単なる河川ではなく、地域社会の重要なインフラとしての役割も果たしています。地域の特産物や風景と共に、切目川は和歌山の魅力を支える存在です。

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