刑事追う!

刑事追う!

『刑事追う!』（けいじおう!）は、1996年4月から同年9月にかけてテレビ東京で放送された刑事ドラマです。毎週月曜の21時から21時54分までの時間枠で展開されたこの作品は、当時の現代劇として期待される一大スペクタクルでした。

制作背景と概要

本作は、テレビ東京が久しぶりに手がけた現代の刑事ドラマであり、制作陣は非常に豪華でした。映画界を代表する監督や演出家が関わり、特にタイトルバックの演出は著名な映画監督・市川崑が手がけています。また、制作体制も大規模で、期待が高まっていた作品でもありました。

ストーリーと特徴

物語は、主人公である一匹狼の刑事・沢木賢太郎と、堅物な性格の馬島直治の刑事コンビの活躍を中心に描かれますが、ただのバディものにとどまらず、事件にかかわる全ての人々の心理を丁寧に掘り下げていく点が評価されています。これにより、従来の刑事ドラマとは一線を画す作品となっています。

さらに特徴的なのは、二人の刑事が異なる捜査課に所属している点です。沢木は捜査共助課に所属し、馬島は捜査第一課に属しており、それぞれ異なる立場から事件を扱います。この設定により、エピソードは以下の3パターンに大別され、リアルな事件の描写を可能にしています。

1. 沢木と馬島が共に登場するエピソード：馬島班が扱う殺人事件など、捜査一課の内容。
2. 沢木のみが登場するエピソード：馬島とは別の班が捜査する事件や、他の課が担当する場合。
3. 馬島のみが登場するエピソード：馬島班が担当する捜査一課扱い事件。

このように、各キャラクターの所属や役割がしっかりと設定されることで、リアリティのある物語が展開されています。特に、沢木の設定は実在の『捜査共助課』の業務を参考にしつつも、物語の中ではオリジナルの要素が加えられ、魅力的なキャラクターを作り上げています。

キャスト

主要キャストには、沢木賢太郎役として役所広司が、馬島直治役として布施博が出演しています。サブキャストには、沢木が通う店「錨・アンカー」のママ役に原田美枝子、馬島の妻である由美子役には渡辺典子などが名を連ねています。


その他にも多くのキャストが登場し、作品に厚みを加えています。

スタッフ

音楽は加古隆が担当し、エンディングテーマにはM.c.A・Tの「One more try〜正直者（もん）のテーマ〜」が起用され合わせて作品を盛り上げました。

撮影、照明、美術、録音など、多方面にわたるスタッフの協力により、作品は視覚的にも聴覚的にも心に残るものとなりました。

総じて『刑事追う!』は、リアルな描写と人間ドラマを巧妙に織り交ぜた作品であり、刑事ドラマの新たな可能性を示した記念碑的な作品といえるでしょう。

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