刑法並びに訴訟手続法典

刑法並びに訴訟手続法典について

刑法並びに訴訟手続法典（Code of Penal Law and Procedure）は、沖縄が日本に返還される以前の琉球列島において、米国民政府によって制定された刑事法典です。この法典は、それまで個別に発布されていた刑事に関する法令を一つにまとめたものであり、「集成刑法」という別名でも知られています。

制定の背景

復帰前の沖縄では、日本の刑法（明治40年法律第45号）が引き続き適用されていましたが、米軍関係者による犯罪や、米国民政府の機関に対する犯罪については、別途処罰する必要がありました。そのため、1949年に戦時刑法を含む様々な法令をまとめた「刑法並びに訴訟手続法典（1949年米国軍政府布令第1号）」が制定されました。その後、1955年には改めて「刑法並びに訴訟手続法典（米国民政府布令第144号）」が制定されました。

さらに、1959年には再度改定が行われ、「琉球列島の刑法並びに訴訟手続法典（高等弁務官布令第23号）」が公布されましたが、その内容を巡って政治的な問題が生じ、施行は無期延期となりました。

法典の構成（米国民政府布令第144号）

この法典は、以下の構成から成り立っています。

前文（第1条-第3条）
第一部 民政府裁判所
第一章 基本法（第1.1.1条-第1.1.2条）
第二章 民政府裁判所の構成及び裁判権（第1.2.1条-第1.2.6.1条）
第三章 訴訟手続（第1.3.1条-第1.3.7.4条）
第四章 令状（第1.4.1条-第1.4.3.1条）
第二部 罪
第一章 定義（第2.1条-第2.1.9条）
第二章 安全に反する罪（第2.2.1条-第2.1.9条）
第三章 経済及び財政政策に反する罪（第2.3.1条-第2.3.8条）
第四章 道徳に反する罪（第2.4.1条-第2.4.3.4条）
第五章 公衆の保健に反する罪（第2.5.1条-第2.5.4条）
第六章 車両及び交通規則に反する罪（第2.6.1条-第2.6.5条）

関連項目

琉球列島米国民政府
刑法

外部リンク

刑法並びに訴訟手続法典



この法典は、沖縄が日本に復帰するまでの間、その司法制度を支える重要な役割を果たしました。

もう一度検索