初代総選挙 (大韓民国)

初代総選挙の概要

初代総選挙は、1948年5月10日に韓国の南部地域で行われた、韓国国会議員選挙です。これは、アメリカ合衆国とソビエト連邦によって分割占領されていた朝鮮の文脈の中で実施され、国際連合による監視の下で行われました。この選挙は、朝鮮の独立の実現を目指す第一歩としての意味を持ち、制憲議会を通じて新しい国家の枠組みを築くための基盤を提供しました。

選挙の背景

この選挙は、信託統治問題によって米ソ共同委員会が決裂した後、米国が朝鮮独立問題を国連に移管した結果、国連の監視下で南北朝鮮総選挙を実施する方針が決定されたことから始まりました。国連臨時朝鮮委員会（UNTCOK）が南朝鮮に入り、主要な政治指導者との会談を行う中で、朝鮮での単独選挙実施が合意され、1948年5月10日に選挙が実施される運びとなりました。

一方、北朝鮮はこの選挙に対して反対を表明し、国連委員団の訪問も拒否しました。これにより南北の政治的対立が深まり、南朝鮮単独の総選挙が実施されるシナリオが整いました。

選挙の実施と結果

選挙は1948年5月10日に行われ、投票率は95.5%を記録しました。この選挙では、合計8,132,517名の有権者が参加し、有効票は7,216,942票となりました。主要な政党の中では、右派勢力が圧倒的多数を占める結果となったものの、李承晩系の独立促成国民会や地主有産階級の韓民党は期待ほどの支持を得られず、多くの無所属候補が当選しました。

選挙後には、制憲国会が開会し、李承晩が議長に選出され、憲法草案の承認を経て1948年7月17日に大韓民国憲法が発効しました。この憲法に基づき、7月20日に実施された正副大統領選挙では、李承晩が大統領に当選しました。

選挙の影響

この初代総選挙は、韓国のその後の政治体制や国家としての独立に大きな影響を与えました。選挙に参加しなかった左派勢力の存在や、選挙の結果としての政治的分裂が後の韓国社会における政治的対立へと繋がっていきます。この選挙を契機に新たに樹立された政府は、韓国の独立運動の総括的な成果の一端を担い、国際的な認識をも求めました。

このように、初代総選挙は、韓国が自己の政治的アイデンティティを確立し、国家としての方向性を固めるための重要な出来事でありました。

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