初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜

浜田省吾『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』

『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』は、1997年1月22日にリリースされた浜田省吾の4枚目のセルフカバーアルバムです。このアルバムは、彼の初期、特に愛奴時代から『君が人生の時…』までの楽曲に焦点を当て、新たな解釈とアレンジを加えています。

構成

このアルバムの最大の特徴は、選曲基準にあります。浜田省吾は、いわゆる代表曲ではなく、「20代の頃にしか書けなかったであろう瑞々しい楽曲」を選びました。これらの楽曲は、当時のサウンド面で納得がいかなかった部分を、改めてレコーディングし直すことで、新たな生命を吹き込まれています。また、6名ものサウンド・プロデューサーが参加し、浜田省吾とは初共演となるミュージシャンも多く、多様な音楽性が展開されています。

注目すべき点として、3枚目のアルバム『Illumination』からは1曲も選曲されていません。しかし、先行シングル「涙あふれて」のB面に収録されていた「あの頃の僕」が収録されています。この楽曲は、1枚目のコンピレーションアルバム『SLOW DOWN』にのみ収録されていたため、今回が初のCD化となりました。

音楽性

レコーディングは、『青空の扉 〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜』と同時進行で行われました。浜田省吾は1996年のライブMCで、仮に本作が先に完成しても、2作とも完成しない限り発売するつもりはなかったと語っています。このエピソードからも、彼がこのアルバムにかけた情熱とこだわりが伝わってきます。

また、浜田省吾は常々「5枚目まで廃盤にしたい」と話していましたが、このアルバムを制作したことで、そうしたこだわりはなくなったそうです。2021年には、1枚目から5枚目のオリジナルアルバムがデジタルリマスターされ再発されており、彼の初期作品に対する評価が改めて高まっています。

形態

初回盤はデジパック仕様で、CD-EXTRA機能が搭載されており、1970年代の貴重な映像が収録されています。さらに、8年ぶりにLP盤も発売されました。LP盤の曲順はCDとは異なり、渋谷陽一による推薦文が掲載されています。これらの仕様からも、このアルバムが特別な作品として扱われていることがわかります。

収録曲

CD盤とLP盤では曲順が異なります。

参加ミュージシャン

CD盤とLP盤では曲順が異なるため、CD盤の曲順に準拠します。多くのミュージシャンが参加し、アルバムに彩りを添えています。

まとめ

『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』は、浜田省吾の初期の楽曲を新たな視点で捉え直した、非常に意欲的な作品です。彼の音楽的なルーツを探るとともに、新たな魅力を発見できるでしょう。

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