愛奴

愛奴（あいど）

愛奴は、1975年にデビューした日本のロックバンドで、わずか1年の活動期間を経て解散しました。バンドは広島フォーク村の仲間たちによって結成され、独自の音楽スタイルで注目を集めました。メンバーはそれぞれ、解散後も音楽シーンでの活動を続けています。

来歴

愛奴のルーツは1968年に遡ります。当時高校生だった山崎貴生、町支寛二、高橋信彦の3人が「グルックス」を結成。しかし、大学進学とともに一時的に解散することとなります。その後、東京の大学に通うメンバーたちが再び集結し、1972年に広島の友人である青山徹と浜田省吾を迎え入れて、愛奴が正式に結成されました。メンバーたちは広島に戻り、約半年間にわたり練習を重ね、CBS・ソニーのオーディションを受けることになります。

初のプロの場である吉田拓郎の全国ツアーにバックバンドとして参加し、広島のアマチュアバンドから一気に全国区へ進出しました。彼らは1975年5月、シングル「二人の夏」とアルバム『愛奴』で正式デビューを果たしました。作詞は浜田省吾が担当し、作曲はメンバーが共同で行うスタイルが特徴的でした。ヴォーカルも多様で、メンバー全員が曲に関与しました。

1975年、メンバーの一人がドラマーの浜田省吾から岡本あつおに交代し、浜田はパーカッション担当に転向しました。しかし、その後浜田は1975年9月にバンドを脱退し、ソロ活動を開始します。愛奴は1976年12月に解散し、その後のメンバーたちはそれぞれ異なる道を歩むこととなります。

解散後の活動

解散後、各メンバーは音楽シーンで独自の活動を続けました。1985年には吉田拓郎のオールナイトコンサートに参加する形で一夜限りの再結成を果たし、懐かしいパフォーマンスを披露しました。

メンバー紹介

• - 青山徹: ギターとボーカルを担当。解散後はスタジオミュージシャンとして、数多くのアーティストの音楽制作に関わる。
• - 町支寛二: ギターとボーカルを担当し、浜田省吾のソロ活動をサポートし続けている。
• - 山崎貴生: パーカッションやキーボードを担当し、解散後はアイドル歌手に楽曲提供を行うソングライターとして知られる。
• - 高橋信彦: ベースを担当。後に浜田省吾のマネージャーとして活躍する。
• - 浜田省吾: ドラムからパーカッションに転向し、脱退後はソロアーティストとして成功を収める。
• - 岡本あつお: 解散後に他のバンドで活動し続ける。

エピソード

「愛奴」というバンド名は浜田省吾が提案したもので、言葉の響きやイメージを重視して名付けられました。デビューの際の経緯や当時の音楽活動は、メンバーの人生において大きな転機となりました。音楽活動を続けることは、当時「人生をドロップ・アウトする」ことにつながる覚悟が必要とされたため、メンバーにとっては大きな決断だったと言えるでしょう。

このように愛奴は短命ながらも、日本のロックシーンに名を刻んだバンドであり、その後のメンバーの活動も多方面に広がっていきました。各々の足跡は、愛奴というバンドの影響を色濃く受け継いでいます。

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