初山翔

初山翔：不屈の精神で道を切り開いたロードレーサー

初山翔（はつやま しょう）は、1988年8月17日生まれ、神奈川県相模原市出身の元プロ自転車競技選手です。高校時代に自転車競技を始め、プロとして国内外のレースで活躍しました。

高校時代に開花した才能

高校1年生の終わりに漫画『タッチ』に影響を受け、自転車競技に興味を持った初山は、インターハイ出場を目標に本格的に競技を始めます。自転車部がない高校で、自ら学校と交渉し、一人で自転車部として活動することを認められました。その努力が実を結び、高校2年生の県大会で2位、関東大会で5位入賞を果たし、インターハイへの出場権を獲得しました。インターハイでは怪我の影響で思うような結果を残せませんでしたが、秋にはジュニアユースの合宿に参加するなど、着実に力をつけていきました。高校3年生の時には全国大会で入賞し、日本代表として海外遠征も経験しました。

プロとしての挑戦

2007年には、世界選手権U23の日本代表に選出。その後、イタリアのアマチュアチームに3年間所属し、本場でレース経験を積みます。しかし、思うような結果が出ず、環境を変えるため、2011年に宇都宮ブリッツェンに加入し、プロデビューを果たしました。

主な戦績

2007年：世界選手権U23 日本代表（機材トラブルでリタイア）
2012年：開田高原クリテリウム 優勝
2013年：ツール・ド・おきなわ 優勝
2015年：ツール・ド・シンカラ 第9ステージ 優勝
2016年：全日本選手権ロードレース 優勝、ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2016 第2位
2017年：ツアー・オブ・ジャパン 山岳賞
* 2019年：ジロ・デ・イタリア 第3ステージ フーガ賞（逃げ賞）獲得、総合142位

ジロ・デ・イタリア完走とマリア・ネーラ

2019年のジロ・デ・イタリアでは、日本人として6人目の完走を果たしました。総合順位は最下位でしたが、第3ステージでの144kmに及ぶ単独での逃げや、第10ステージでの2人での逃げなど、積極的にレースを動かす姿勢が評価されました。特に第3ステージでは、果敢なアタックによりフーガ賞を獲得。主催者からは、かつて総合最下位の選手に贈られていた黒いジャージ「マリア・ネーラ」が特別に贈られました。

引退とその後

2019年シーズン末をもってプロ選手としての活動を引退しましたが、サイクルスポーツは趣味として継続していく意向を示しています。

初山翔は、決してエリートとは言えない環境から、自身の努力と不屈の精神でプロの世界に飛び込み、数々の実績を残しました。特に、ジロ・デ・イタリアでの逃げの活躍は、多くのファンに感動を与えました。引退後も、その情熱を胸に、自転車を愛し続けることでしょう。

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