判型

判型：印刷物のサイズ規格

書籍や雑誌、新聞など、印刷物の仕上がりサイズを規定するのが「判型」です。判型は、厚みを除いた短辺と長辺の寸法で表され、様々な種類があります。代表的なものとして、国際規格のA判と日本工業規格のB判があります。

A判とB判

A判とB判は、いずれも短辺と長辺の比率が1:√2（約1.414）という白銀比で構成されています。これは、紙を半分に裁断していくと、常に同じ比率が保たれるという利点があります。A判は国際規格、B判は日本工業規格であり、A0判からA6判、B0判からB6判など、数字が小さくなるほどサイズは小さくなります。それぞれの判型の寸法は厳密に規格化されており、例えばA4判は210×297mm、B5判は182×257mmです。

その他の判型

A判やB判以外にも、様々な判型が存在します。例えば、日本の伝統的な判型である菊判や四六判は、文芸書や学術書などで広く使用されています。また、マガジンサイズや文庫判など、判型名だけでサイズを特定できない場合もあります。同じ判型でも、出版社や用途によって微妙に寸法が異なることもあります。

代表的な判型一覧

以下に、いくつかの判型とその寸法、用途例を示します。寸法はmm単位で、短辺×長辺の順で表記します。

A判

A0判：841×1189 (ポスターなど)
A1判：594×841 (ポスターなど)
A2判：420×594 (ポスターなど)
A3判：297×420 (ポスターなど)
A4判：210×297 (写真集、美術全集など)
A5判：148×210 (文芸誌、教科書など)
A6判：105×148 (文庫本など)

B判

B0判：1030×1456 (ポスターなど)
B1判：728×1030 (ポスターなど)
B2判：515×728 (ポスターなど)
B3判：364×515 (中吊り広告など)
B4判：257×364 (画集、グラフ誌など)
B5判：182×257 (週刊誌など)
B6判：128×182 (単行本など)
小B6判：112×174 (少年・少女漫画単行本など)

その他

菊倍判：218×304、227×304
マガジンサイズ：232×297 (女性誌、デザイン誌など)
国際判：215.9×279.4 (A4変形)
AB判：210×257
重箱版：182×206 (絵本など)
菊判：152×218、152×227 (学術書などの単行本)
四六判：127×188 (文芸書などの単行本)
B40判：103×182 (新書判)
ポケット・ブック版：106×184
* 三五判：84×148

上記以外にも、新聞の判型や、地域によって独自の判型が存在します。

判型の体系と歴史

判型の体系は、紙の寸法と密接に関連しており、古くから様々な規格が用いられてきました。現在のA判、B判のような体系は、効率的な紙の利用と規格の統一を目指して発展してきたものです。それぞれの判型には、その歴史や用途からくる特徴があります。例えば、四六判は、古くから日本の書籍によく用いられてきた判型であり、そのサイズは文芸書のサイズとして親しまれています。

判型と製本

判型は、書籍の製本方法とも関連があります。判型によって、適切な製本方法や装丁が異なるため、書籍のデザインや製造工程において重要な要素となります。

まとめ

判型は、一見すると単純なサイズ規格ですが、その背景には紙の効率的な利用や、書籍の歴史、そしてデザインや製造工程まで、様々な要素が複雑に絡み合っています。本記事では、判型の基本的な知識から、様々な判型の概要、そして判型を取り巻く歴史や関連情報までを網羅的に解説しました。今後、書籍や印刷物に触れる際に、判型について意識することで、より深い理解が得られるでしょう。

もう一度検索