別冊フレンド

別冊フレンド：少女漫画誌の歴史と魅力

『別冊フレンド』は、講談社が発行する日本の少女向け月刊漫画雑誌です。1965年、姉妹誌である『週刊少女フレンド』とともに創刊されました。当初は漫画に加え、芸能ニュースやファッション情報なども掲載されていましたが、1972年からは漫画専門誌へと移行しました。1984年には誌名も現在の『別冊フレンド』へと変更され、その後も多くの読者に愛され続けています。

ターゲット層の変化と誌面コンセプト

創刊当初は10代の少女をターゲットとしていましたが、時代とともに読者層は変化を遂げています。2006年から2012年頃までは、15～16歳の高校生の読者を中心に、「10代の女の子の野望や欲望を叶える漫画雑誌」というコンセプトを掲げていました。しかし、2020年現在では、「イケメンとの恋が絶対叶う憧れ満載の王道少女漫画誌」というコンセプトにシフトしており、読者層も10代が5割以下となり、30代以上の読者も30%以上を占めるようになっています。この変化は、少女漫画市場全体の動向や、読者の嗜好の変化を反映していると言えるでしょう。

歴代編集長と連載作品

『別冊フレンド』には、長年にわたり多くの編集長が関わってきました。伊藤幸雄氏、新井善久氏、平賀純男氏、大森与作氏、高橋好三氏、小野正隆氏、森田眞氏など、それぞれの時代に合わせた雑誌作りに貢献した方々がいます。

連載作品は、時代を反映した様々なジャンルの作品が掲載されています。1998年から連載されている『小春びより』や、2011年から連載されている『こんちわハム子』など、長期連載を続ける作品も多数存在します。また、近年では「イケメンとの恋愛」をテーマにした作品が中心となっており、多くの読者から支持されています。休載中の作品や過去に連載された作品も数多くあり、それらの作品も『別冊フレンド』の歴史を彩る重要な要素となっています。

西成事件と社会問題への対応

1996年、本誌に掲載された作品における脚注の記述が、特定の地域への差別的な表現を含むとして大きな問題となりました。この「西成事件」と呼ばれる騒動は、出版社としての社会的な責任の重大さを改めて認識させる出来事となりました。講談社は、連載中止、該当号の回収、謝罪文の掲載など、迅速な対応を行いました。さらに、関係団体との協議や、社内研修の実施などを通して、問題解決に努めた経緯があります。この事件は、漫画雑誌が社会に与える影響の大きさを示す事例と言えます。

関連誌と発行部数

『別冊フレンド』には、姉妹誌や関連誌が多数存在します。『少女フレンド』、『ザ・フレンド』、『ラブリーフレンド』、『別冊フレンドDX Juliet』、『別冊フレンドDX ザ・別フレ』、『マイフレンド』、『ハローフレンド』、『別フレデジタル』、『別フレフロンティア』など、様々な媒体を通じて、少女漫画作品を広く届けてきました。

発行部数は、創刊から現在まで変動しています。1970年代後半から1980年代前半には100万部を超える発行部数を記録していましたが、その後は減少傾向にあり、近年では数十万部規模となっています。これは、メディア環境の変化や、読者層の多様化など、様々な要因が影響していると考えられます。

電子雑誌『姉フレンド』

2016年には、『別冊フレンド』と『デザート』の共同編集による電子雑誌『姉フレンド』が創刊されました。「大人のラブきゅん少女コミック誌」というコンセプトのもと、大人向けの少女漫画作品を配信しています。『姉フレンド』は、従来の紙媒体とは異なる新しい読者層を開拓し、少女漫画市場の拡大に貢献しています。

まとめ

『別冊フレンド』は、半世紀以上にわたって少女漫画誌として発展を続け、多くの読者から愛されてきました。時代とともにターゲット層やコンセプト、媒体も変化を遂げていますが、常に少女漫画というジャンルの中心的な存在として、その地位を確立しています。今後の動向にも注目が集まります。

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