利永村

利永村の概要

利永村（としながむら）は、かつて鹿児島県本土南部の揖宿郡に存在した地方自治体です。この村は1948年に今和泉村から分離して設立されましたが、わずか7年後の1955年には自治体としての機能を終えました。現在の指宿市にあたる地域の一部になっています。

地理的特徴

利永村は鹿児島県の南端に位置し、町村制が施行された1889年当時は今和泉村の大字利永にあたりました。村の主要な地形には池田湖と鰻池があり、池田湖の近くには南薩火山群の一部である鍋島岳がそびえています。この村は大字が設置されていなかったため、村の住所は「揖宿郡利永村○○番地」と略されていました。

歴史の流れ

利永村の歴史は1889年に始まります。この年、町村制が施行され、今和泉村が成立しました。その際、利永村の基となる区域は今和泉村の大字利永として扱われました。1946年には利永に支所が設けられ、地域社会の行政機能が強化されました。

分離の過程

村の南端に位置する利永は、今和泉村の中心から遠く、村役場に行くためには山川町や指宿町を経由しなければなりませんでした。この不便さから、利永には独自の支所が設置され、次第に自立の動きが加速しました。1948年になると、村の分村が議決され、利永村が正式に設立される運びとなりました。

消滅と編入

1955年には、利永村上野地区（人口834人）が開聞町に編入され、その残りの地域（人口2316人）は山川町に編入されました。この結果、利永村は自治体として消滅しました。編入後は、上野地区は現在の指宿市開聞上野に、利永地区は指宿市山川利永として地名を変えました。

教育機関

利永村には利永小学校と利永中学校が存在しました。利永小学校は1876年に設立され、村が分立した後も地域の子どもたちに教育を提供し続けました。最終的には、1957年に利永中学校が徳光中学校と統合され山川西中学校が設立され、その後さらに統合が進んで山川中学校となりました。

現在の交通状況

利永村の領域には現在鹿児島県道241号大山開聞線が通っており、地域の交通は国道226号と県道によって繋がれています。ただし、利永村が存在していた期間には、この県道は指定されていなかったため、交通アクセスは制限されていたと考えられます。

参考文献

• - 『日本歴史地名体系 47 鹿児島県の地名』
• - 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』

利永村の歴史は短いですが、地域の人々の生活に大きな影響を与えた重要な一ページです。今では、その名や歴史を知る者は少なくなりましたが、かつての村の存在は周囲の地域に息づいています。

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