利用運送事業

利用運送事業とは

利用運送事業とは、貨物利用運送事業法に基づき、荷主から貨物を預かり、自社では輸送手段を持たず、他の運送事業者（実運送事業者）の行う輸送サービスを利用して貨物の運送を行う事業のことです。一般に「貨物利用運送事業」とも呼ばれます。

事業の種類

利用運送事業は、取り扱う業務範囲によって以下の2種類に分類されます。

第一種利用運送事業: 主に拠点間の輸送を専門に行う事業です。
第二種利用運送事業: 拠点間の輸送に加え、集荷や配送といった一連の業務までを包括的に行う事業です。

取り扱う輸送方法

利用運送事業者が取り扱う輸送方法は、多岐にわたります。主なものとして、以下のものがあげられます。

船舶: 外航船や内航船を利用した輸送。
航空: 国内線や国際線を利用した航空輸送。
鉄道: 鉄道網を利用した輸送。
自動車: トラックなど自動車を利用した輸送。

注意点

港湾運送、索道、軽自動車による運送は、法律上実運送事業者に該当しないため、これらの運送機関のみを利用する運送事業は利用運送事業とはみなされません。

その他の関連情報

非船舶運航業者（NVOCC）: 船舶を所有せずに海運業を行う事業者のことです。利用運送事業の一形態と捉えることができます。
鉄道利用運送事業: 第二種利用運送事業者は、かつて「通運」と呼ばれていたこともあります。
業界団体: 公益財団法人利用運送振興会は、業界の発展を支援する団体であり、学校法人日通学園の母体でもあります。

関連用語

貨物運送取扱業: 利用運送事業と類似した事業ですが、法律上の定義や事業範囲が異なります。
運送取次事業: 荷主と実運送事業者との間を取り持つ事業で、利用運送事業と関連性があります。
フォワーダー: 国際的な貨物輸送を手配する事業者のことで、利用運送事業を行う事業者もフォワーダーとしての役割を担うことがあります。
傭車: 他の運送事業者の車両を借りて行う輸送業務。

外資規制

国際貨物運送を行う一部の利用運送事業者は、外資規制の対象となっています。具体的には、以下の事業を行う事業者については、外国人や外国法人が役員の3分の1以上、または議決権の3分の1以上を占めることは法律で禁止されています。

船舶または航空による国際貨物輸送を伴う第一種利用運送事業
* 航空による国際貨物輸送を伴う第一種利用運送事業


これらの規制は、国内の産業基盤を保護する目的で設けられています。

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