前場文夫

前場 文夫

前場 文夫（ぜんば ふみお）は、1943年（昭和18年）3月3日生まれの日本の政治家です。茨城県結城市の市政に深く関わり、同市の市長を2期、また市議会議員を長期にわたって7期務めました。出生地については明確な記録が残されておらず、茨城県または栃木県のいずれかであると推測されています。

学業においては、栃木県立栃木高等学校を卒業後、日本大学経済学部に入学しましたが、学業半ばで大学を退いています。

前場氏の政治家としての歩みは、1983年（昭和58年）4月に結城市議会議員選挙に初当選したことから始まりました。以来、精力的に市議会議員としての活動を続け、通算で7期を務め上げるという長いキャリアを築きました。市議としての活動期間中には、議会運営においても重要な役割を担い、2000年（平成12年）8月から2003年（平成15年）4月にかけては、結城市議会の議長を務めました。

市議会議員としての豊富な経験と実績を積み重ねた後、前場氏はさらに広範な市政への貢献を目指し、2011年（平成23年）8月7日に執行された結城市長選挙への立候補を決断しました。この選挙では無所属で臨み、自由民主党とみんなの党の推薦を得ていた司法書士の小林栄氏と一騎打ちの様相を呈しました。激しい選挙戦の結果、前場氏は10,817票を獲得し、対立候補の小林氏が獲得した10,689票をわずか128票差で上回り、初の結城市長当選を果たしました。当時の投票率は51.21パーセントでした。選挙勝利後、前場氏は同年8月24日に正式に市長に就任し、市政運営の舵取りを担うこととなりました。

市長としての最初の任期を終えた前場氏は、引き続き結城市の発展に尽力するべく、2015年（平成27年）の市長選挙に再選を目指して立候補する意思を表明しました。同年8月9日に行われた選挙では、過去に市議会議員を務めた立川博敏氏との選挙戦となりました。この選挙では、前場氏が11,482票を得て、立川氏の7,818票に対し比較的大きな差をつけて勝利し、見事に再選を果たしました。この時の投票率は46.59パーセントでした。2期目の市長としても、結城市の行政のトップとして、地域の課題解決や発展に向けた取り組みを進めました。

2期目の任期満了に伴い、2019年（令和元年）に行われた市長選挙にも出馬しましたが、この選挙は前場氏を含め4人の候補が争う混戦となりました。厳しい選挙戦の結果、前場氏は残念ながら4人中3位に終わり、落選という結果となりました。この選挙で新たに結城市長に就任したのは、2011年の選挙で前場氏に敗れた小林栄氏でした。これにより、前場氏の結城市長としての活動は幕を閉じました。

長年にわたり結城市の地方自治、特に議会活動と市長職を通じて市政の発展に貢献した功績が認められ、市長退任後の2021年（令和3年）4月に発表された春の叙勲において、旭日中綬章を受章しました。これは、公共に対して顕著な功績を残した人物に贈られる、日本における栄誉ある勲章の一つです。

もう一度検索