前夜 (幻冬舎の雑誌)

『前夜』（ぜんや、ZEN-YA）は、漫画家・小林よしのりが責任編集を務め、幻冬舎から2011年12月15日に創刊号のみが発行された雑誌です。

創刊の背景と主張

創刊号に際して、小林よしのりは現状の言論界に対する強い危機感を表明しています。日本の崩壊が進む中で、保守の言論人が個々の主張に終始し、まとまりがない状況を批判。むしろ左翼やリベラルの言論人の方がまだ可能性を秘めているとさえ考えていました。

『前夜』では、「女系天皇容認・直系優先」、「TPP反対」、「脱原発」を主要な主張として掲げました。また、若手リベラル言論人の寄稿を積極的に採用し、共産党の政治家の論考も掲載を予定するなど、幅広い視点を取り入れようとしました。

ターゲット層と結果

小林よしのりは、これまで自身の読者層とは異なる「女性」や「リベラル」層を新たなターゲットとして『前夜』を企画しました。しかし、この試みは成功したとは言えませんでした。

短命に終わった理由

当初は季刊誌として発行される予定でしたが、小林が過去に発行していた『わしズム』が2012年3月21日に幻冬舎から復刊されたことに伴い、『前夜』は創刊号限りで打ち切り・休刊となりました。 『わしズム』の復刊が優先されたことが、その理由として考えられます。

『前夜』は、小林よしのりの新たな挑戦として注目されましたが、結果として短命に終わりました。しかし、その創刊の背景には、言論界への強い問題意識と、新たな読者層への開拓を目指す姿勢が見て取れます。

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