前略、道の上より

「前略、道の上より」の音楽的旅

「前略、道の上より」は、一世風靡セピアの記念すべきデビューシングルで、1984年6月25日にBOURBON RECORDSからリリースされました。この曲は彼らの輝かしいスタートを象徴する存在であり、音楽史においても重要な位置を占めています。

1. 一世風靡セピアの背景

一世風靡セピアは、デビュー前に40〜50人の大集団として活動を行っていました。彼らの活動は主に原宿の歩行者天国や渋谷公園通りで行われ、独特なファッションが特徴でした。ズートスーツやサスペンダー付きのズボン、特に先の尖ったヨーロピアンシューズというスタイルで視線を集め、定期的に音楽に合わせて目を引くパフォーマンスを披露しました。このエネルギッシュなパフォーマンスには、多い時で1000人もの若者が集まり、彼らの姿に惹きつけられました。

2. メジャーデビューの瞬間

その後、音楽への情熱が強い7人が集まり、新たに「一世風靡セピア」というグループ名に改め、正式にメジャーデビューを果たします。この時のキャッチフレーズは「デビュー前からスーパースター」であり、彼らの存在感を際立たせました。また、この曲はSUZUKIのスクーター「Love THREE」のCMソングや、キリンビールの広告にも起用されるなど、幅広く親しまれる楽曲となりました。

3. 音楽の魅力

「前略、道の上より」では、太鼓と笛の音を効果的に使用しており、祭りの雰囲気を感じさせる賑やかなサウンドを作り出しています。歌詞の中には「ソイヤ」という掛け声が聴こえますが、歌詞カードでは「素意や」と表現されています。この言葉には「かねてからの願い」や「本心」といった深い意味が込められています。

楽曲の作曲及び編曲を手掛けた「GO TO」は、後藤次利の変名であり、メンバー自身がその才能を高く評価して実現したコラボレーションです。特に、後藤が手掛けた沢田研二の「TOKIO」を聴いて、そのカッコ良さに触発された結果というのが興味深いです。

4. カバーと新たな展開

2013年には、作曲者の後藤次利がセルフカバーを行い、アルバム「Significant Other」に収録されました。そして、2023年4月5日には、スターダストプロモーションに所属するEBiDANが「前略、道の上より」をカバーしました。このカバーには、現代風にアレンジが施され、川谷絵音によって調整されています。原曲とは異なり、よりソフトでリズミカルな印象を与えています。

また、このカバーの選曲には、EBiDANが路上パフォーマンスから始まったことへの感謝と、彼らの原点に立ち返る意図が込められており、ここからさらなる高みを目指す姿勢を表現しています。このリリースを記念し、EBiDANのメンバーと一世風靡セピアのリーダー小木茂光、俳優の柳葉敏郎、そして春海四方との対談が行われ、YouTubeのスターダストチャンネルで公開されました。

5. まとめ

「前略、道の上より」は、ただの楽曲以上のものを持っており、音楽文化の中での重要な一歩、そして世代を超えたつながりを象徴するものとして、多くの人々の心に残り続けています。

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