前貼り

前貼り（まえばり）とは

前貼りとは、股間に貼り付けて性器を覆い隠す物体の総称です。前張り、前バリとも呼ばれます。映画のベッドシーンなどで使用されるほか、漫画、アニメ、ゲーム、イラストレーションなどにおいては、性器に対する修正の代用表現として用いられます。また、前貼りは萌え要素やフェティシズムの対象となることもあります。

映画における前貼り

映画撮影において前貼りは、主に以下の目的で使用されます。

役者の性器を隠す: 相手役者や現場スタッフの目から性器を隠すことは、俳優にとっての主な目的です。
性器の写り込み防止: フィルムに性器が写り込むことを防ぐことは、撮影上の主な目的です。写り込んでしまうと、不自然な修正が必要になります。
意図しない挿入の防止: 俳優による偶然または故意の挿入を防ぎ、挿入を拒否する意思を示す役割も担います。
男性器の固定: 男性器を固定し、演技の邪魔にならないようにします。ぶらぶらしてしまうと、演技に集中できません。
性器の状態変化を隠す: 役者の性器の状態変化を隠し、両者の動揺による心理面への影響を抑えます。ただし、勃起に対してはほぼ無力です。

日本では、一般映画・ピンク[[映画]]を問わず、ほとんどの撮影現場で使用されています。特に男性においては、前貼りの使用は相手女優へのマナーとされています。基本的には画面に映り込むべきものではないため、撮影においてはアングルなどに細心の注意が払われます。一方、ヘアヌードのように陰部描写を前提にした撮影の場合は、通常の前貼りの使用はできず、出演者は陰部を完全にさらけ出して演技をすることになります。しかし、場合によっては陰毛を模したカツラを貼り付けることもあります。このカツラは本来、陰毛が薄い女優が陰唇が直接写ってしまうのを避けるために使用するものです。

近年では、人権尊重の観点から、ピンク[[映画]]などの性行為を伴わない映画やドラマでも、着替えや入浴シーンなどの撮影時に、現場スタッフや役者に見えないように使用することが一般的です。

前貼りの製作・事情

前貼りは既製品として販売されているわけではないため、基本的に全てが現場スタッフや役者本人による手製です。素材は一般的にガーゼや布地、生理用ナプキンなどを適切な大きさに切ったものと粘着テープを組み合わせて使用されます。テープの粘着力が強すぎると剥がす時に痛みが大きく、弱すぎると撮影中に剥がれてしまうため、注意が必要です。特に陰毛が巻き込まれると激痛が走るとされ、かつては撮影前に陰毛を全て剃ってしまう人も多かったようですが、ヘアヌード解禁後の映画ではそれも難しくなっています。

前貼りの形状は様々で、陰毛の生え際から肛門までを完全に覆ってしまう大型のものもあれば、性器を覆うのに必要な最小限のサイズのものもあります。大胆な女優の場合は、絆創膏状のテープを割れ目に沿って貼り付けるだけで済ませることもあります。

男性においては事情が少し複雑です。陰茎は不意の勃起により前貼りを剥がしてしまうことがあり、ベテラン俳優でもベッドシーンで偶然勃起することは珍しくありません。前貼りを突き破った陰茎が共演女優の性器に接触してしまい、顰蹙を買うこともあります。男性用前貼りの素材には、ガーゼだけでなく、靴下やストッキング、紙コップ、ヌーブラなど、対象物の形状を踏まえたものが多く使われていますが、現時点では最適なものは見つかっていません。

ある映画の撮影で前貼りが使用されたかどうかは、通常、撮影現場にいた者以外は知ることはできません。しかし、女優が前貼りを使用しなかった場合は、扇情的な宣伝に使われることが多く、有名俳優が後年に思い出話として前貼りを使用しなかった映画について触れることもあります。

フィクションにおける前貼り

2006年に発売された「マエバリ帝国の逆襲」では、これまで小道具的な扱いだった前貼りを前面に押し出した作品となっています。また、ファンタシースターオンライン2において、2016年4月20日のアップデートでは、突如「スマートインナー」と称されるコスチュームが登場し、一部の愛好家の間で話題となりました。

関連項目

ニプレス
Cストリング
貞操帯
サポーター
ペニスケース
* トレイ

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