前里史朗

前里 史朗

1975年8月21日、東京都に生まれた前里史朗は、選手として、そしてスタッフとして、長年にわたり日本のプロ野球界に貢献した人物である。特にブルペン捕手やコーチといった裏方の立場で、球団を支える重要な役割を担ってきた。

アマチュア時代

前里の野球キャリアは、修徳高校で本格化した。3年生だった1993年には、後にプロ野球界で活躍する投手、高橋尚成とバッテリーを組み、夏の甲子園大会に出場。チームは快進撃を見せ、準々決勝（ベスト8）まで勝ち進んだ。この活躍が認められ、日本学生野球協会から表彰選手に選ばれている。

高校卒業後、青山学院大学へ進学。ここでも野球部に所属したが、当時のチームには後にプロで活躍する清水将海が1学年上に在籍しており、捕手としては控えに回ることが多かった。しかし、野球に対する真摯な姿勢とリーダーシップが評価され、4年生時にはチームの主将を務めた。大学リーグ通算成績は、23試合に出場し、25打数6安打、打率.240、本塁打0本、打点7という記録を残している。また、大学時代には、後に千葉ロッテマリーンズで共に働くことになる井口資仁が1学年先輩としてチームに在籍していた。

プロフェッショナル球団での活動

大学卒業後の1998年、前里は福岡ダイエーホークス（現在の福岡ソフトバンクホークス）に入団し、プロフェッショナル球団でのキャリアをスタートさせた。その役割はブルペン捕手であり、投手陣の練習を支える重要なポストを任された。ブルペン捕手としてチームに貢献する傍ら、その後はチーム運営部のブルペン担当および用具担当としても活動の幅を広げた。福岡ダイエーホークス、そして後継の福岡ソフトバンクホークスで合計12シーズンにわたり裏方としてチームを支えたが、2009年をもって球団を離れることとなった。

翌2010年、前里は千葉ロッテマリーンズへ移籍。ここでは新たなキャリアとして、二軍のブルペンコーチに就任した。選手としてのプロ経験を持たない人物がプロ球団のコーチに就任することは、当時としては異例であり、その指導力や適性が評価されたものと推測される。コーチとして1シーズン、チームの若手投手育成に携わった。

しかし、コーチ職は2011年シーズン限りで退任し、2012年からは再びブルペン捕手として千葉ロッテマリーンズに籍を置くことになった。このブルペン捕手としての立場は、2022年シーズンまで11年間にわたり継続された。長期間にわたりブルペンで多くの投手の球を受け続け、コンディション維持や調整に貢献した。2022年シーズン終了をもって、千葉ロッテマリーンズでの活動を終えている。

前里史朗がプロフェッショナル球団に在籍した期間に使用した背番号は以下の通りである。

119：福岡ダイエーホークス時代 (1998年 - 2009年)
88：千葉ロッテマリーンズ コーチ時代 (2010年 - 2011年)
90：千葉ロッテマリーンズ ブルペン捕手時代 (2012年 - 2022年)

アマチュア時代には強豪校・強豪大学でプレーし、卒業後はプロ球団でブルペン捕手、用具担当、そしてコーチと多岐にわたる役割を歴任した前里史朗は、選手として直接表舞台に立つことは少なかったものの、長年にわたり日本のプロ野球界を支え続けた功労者の一人と言えるだろう。

関連項目

東京都出身の人物一覧
* 青山学院大学の人物一覧

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