創庫生活館

創庫生活館（そうこせいかつかん）は、衣料品、家具、家電、雑貨など様々なリユース品（中古品）の買取および販売を行うリサイクルショップの店舗名、およびそのフランチャイズチェーンです。本社は静岡県浜松市中央区に置かれています。

沿革と運営会社の変遷

創庫生活館の事業は、1988年に堀之内九一郎氏が個人事業としてリユース品の販売を開始したことに始まります。事業の拡大に伴い、1992年には株式会社生活創庫が設立され、法人として運営が行われるようになりました。株式会社生活創庫は、環境への配慮にも積極的に取り組み、2001年には本社において環境マネジメントシステムの国際規格であるISO 14001の認証を取得するなど、企業としての体制を整えていきました。

設立以降、店舗網は順調に拡大し、最盛期には全国に直営店とフランチャイズ店を合わせて250店を超える規模にまで成長しました。店舗の形態としては、豊富な品揃えを特徴とする大型の倉庫を利用した大規模店舗と、より地域に密着した品揃えの小型店舗型店舗の両方を展開していました。また、関連店舗ブランドとして「Q's コレクション」も展開していました。

最盛期である2009年8月期には約27億円の売上高を計上しましたが、その後、事業を取り巻く環境は厳しさを増しました。同業他社との競争激化に加え、インターネットオークションやフリマアプリといった個人間取引市場の拡大、さらにAmazonなどの大手ネット通販サイトの台頭により、消費者の購買行動やリユース市場の構造が大きく変化したことが、株式会社生活創庫の経営を圧迫しました。収益の悪化を受けて不採算店舗の閉鎖を進めましたが、その結果、2012年8月期には売上が約10億円まで減少しました。金融機関からの借入金が増大し、赤字決算が続く中で資金繰りは急速に悪化しました。そして2013年5月1日、運転資金が枯渇し資金ショートが発生。これにより静岡手形交換所より取引停止処分を受け、事実上の経営破綻に至りました。この時点での負債総額は約15億円と報じられています。

しかし、「創庫生活館」の事業自体は、この経営破綻によって途絶えることはありませんでした。株式会社生活創庫の経営状況が悪化する中で、事業の継続を図るため、受け皿となる株式会社リハンズが2013年2月27日に設立されました。そして、株式会社生活創庫の事業は、同社が抱えていた債務を除く形で、リハンズへ譲渡されました。この事業譲渡においては、従業員の雇用も引き継がれ、「創庫生活館」としての店舗運営は株式会社リハンズの下で継続されることとなりました。

現在、「創庫生活館」は株式会社リハンズによって運営が続けられています。直営店とフランチャイズ店を合わせた現在の総店舗数は63店舗です（店舗数は時期によって変動する可能性があります）。リユース事業を通じて、循環型社会の実現に貢献しています。

関連情報・付記事項

「創庫生活館」（旧株式会社生活創庫）と、総合スーパーなどを運営するユニー株式会社がかつて名古屋駅前などで展開していた同名の店舗「生活創庫」とは、名称が同じであるものの、全く別の企業であり、両社の間に資本関係は存在しませんでした。ただし、「生活創庫」の商標権はユニー株式会社が所有しており、旧生活創庫はユニーから商標の使用許諾を得て事業を行っていました。

過去には、店舗において痛ましい事件も発生しています。2002年には、埼玉県春日部市にあった創庫生活館の直営店舗で、元従業員が閉店後の店舗内で従業員数名を襲撃し、うち系列店の店長一名が殺害されるという事件が発生しました。この事件を受け、殺害された店長の遺族は会社に対して安全管理体制の不備を理由とする損害賠償請求訴訟を提起しました。裁判の結果、東京高等裁判所での控訴審判決では、「店舗側が従業員の安全管理に関する指示や指導を十分に実施しておらず、適切な対策が講じられていれば事件は防げた可能性が高い」として、会社に対して遺族へ約2900万円の損害賠償金の支払いを命じる判決が下されています。

また、創庫生活館はメディアにも取り上げられたことがあります。2008年2月11日には、テレビ東京の経済ドキュメンタリー番組「日経スペシャルカンブリア宮殿」において、「ゴミの山は、宝の山だ！～リサイクルショップに見る、大量消費社会の現実～」というテーマで特集され、当時の社長である堀之内九一郎氏が出演し、事業への取り組みや経営哲学などが紹介されました。

創庫生活館は、過去の困難や事件を乗り越え、現在は株式会社リハンズのもとでリユース事業を継続し、社会の変化に対応しながらその役割を果たしています。

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