創成川

創成川：札幌の歴史と文化を紡ぐ人工河川

創成川は、札幌市の中心を流れ、石狩川水系伏籠川に合流する一級河川です。この川は、単なる水路ではなく、札幌の都市形成と発展に深く関わってきた歴史的な存在です。東西を分ける基点として、市民生活に欠かせない役割を果たしてきました。

大友堀から創成川へ

創成川の歴史は、江戸時代の1866年（慶応2年）に、幕府の役人であった大友亀太郎が開削した「大友堀」に始まります。開拓以前の札幌は、豊平川が形成した扇状地であり、湿地帯が広がっていました。大友堀は、稲作のための用水路としてだけでなく、湿地の悪水を排水する目的も担っていました。

1869年（明治2年）に札幌本府の建設が始まると、大友堀は石狩方面からの物資輸送路として拡張されることになります。佐々木貫蔵の建議により、運河としての機能が強化されました。1874年（明治7年）には「創成川」と改名され、札幌の発展とともにその姿を変えていきます。

都市を支える川

創成川は、札幌の都市機能においても重要な役割を果たしました。防火用水、風致の維持、下水道の洗浄、灌漑など、多岐にわたる用途で利用され、札幌の発展を支えてきたと言えるでしょう。しかし、鉄道の発達とともに水運は衰退し、創成川の役割も変化していきます。

明治時代には、創成川はしばしば氾濫を起こし、治水対策が課題となりました。護岸工事が繰り返し行われ、大正時代には下流部が埋め立てられるなど、その姿は大きく変わっていきました。

創成川の再生と現在

札幌オリンピックを契機に、創成川の両岸に道路が整備され、都市景観の一部として再評価されるようになります。1990年代以降は、市民団体によるアメニティ回復の動きが活発化し、2004年（平成16年）からは「創成川通アンダーパス事業」が実施されました。

そして2011年（平成23年）4月、創成川公園がオープン。水と緑に親しめる交流・憩いの場として、多くの市民に利用されています。現在、創成川の東河岸周辺では再開発が進められており、新たな魅力が加わろうとしています。

鴨々川と創成川

創成川の上流部は、鴨々川と呼ばれています。鴨々川の語源には諸説あり、京染めにちなんで京都の鴨川を模したという説や、鴨の飛来地であったという説などがあります。鴨々川では、市民による清掃活動が続けられており、美しい景観が保たれています。また、中島公園には水遊び場が設けられ、市民の憩いの場となっています。


創成川は、札幌の歴史と文化を物語る、貴重な存在です。その流れは、過去から現在へ、そして未来へと続いていきます。

もう一度検索