創成川公園

創成川公園

創成川公園は、札幌市中央区に位置する、全長820mの細長い公園です。この公園は、創成川の歴史を踏まえつつ、都心における貴重な水辺と緑の景観を創出することを目的に整備されました。かつては交通渋滞が激しかった場所が、市民の憩いの場へと生まれ変わった事例として知られています。

概要

創成川公園は、「創成川通親水緑地整備事業」によって誕生しました。この事業は、交通渋滞緩和のための「創成川通アンダーパス連続化事業」と並行して進められ、その結果として地上部に広大な公園が整備されました。公園内には、創成川の流れを生かした水辺空間や、緑豊かな植栽が施され、都心にいながら自然を感じられる空間が広がっています。また、公園内には川の東西を結ぶ3つの広場が設けられ、回遊性を高める工夫がされています。

歴史

創成川は、1866年（慶応2年）に開削された、札幌市中心部を南北に流れる河川です。1972年（昭和47年）の札幌オリンピック開催を機に、川の両岸にアンダーパスを含む片側4車線の道路が整備されました。しかし、これにより地上部分では交通渋滞が激化し、東西市街地の分断という問題も生じていました。1991年（平成3年）には、創成川のアメニティ回復を訴える市民団体が発足し、アンダーパスの連続化と地上部の緑化を提案しました。この提案を受け、札幌市は1998年（平成10年）に都市計画を決定し、1999年（平成11年）の「第4次札幌市長期総合計画」に創成川整備を位置づけました。その後、市民参加型のワークショップや懇談会を経て、2004年（平成16年）に都市計画事業が認可され、「創成川アンダーパス連続化事業」が開始されました。2009年（平成21年）にアンダーパスが完成し、2011年（平成23年）に地上部の創成川公園が完成しました。この事業は、「国際交通安全学会賞」業績部門を受賞し、「創成川通・狸二条広場地区」は平成24年度「都市景観大賞」優秀賞を受賞しています。

施設

公園内には、特徴的な3つの広場が設けられています。

広場

まんなか広場: 大通（大通公園）と創成川通の交差点に位置し、札幌都心の東西南北の基点となる場所です。この場所には、象徴的なアートワーク「スノーリング」が設置されており、水辺に降りることができる階段広場や芝生広場もあります。
開拓の広場: 創成橋を中心とした四隅の広場で、創成橋は1869年（明治2年）に創成川がまだ大友堀と呼ばれていた頃に丸太を並べて作られた橋が起源です。公園整備に伴い一時解体されましたが、2010年（平成22年）に復元されました。広場には、「札幌建設の地碑、北海道里程元標」や「大友亀次郎像、札幌発祥の礎石、親柱」が建立されており、かつての南一条交番をモチーフにした休憩所も設けられています。
狸二条広場: 狸小路商店街と二条市場をつなぐ広場です。面積は約950m²で、イベントなどでの活用を想定した電気・水道設備が備えられています。

アートワーク

創成川公園には、様々なアーティストによるアートワークが設置されており、訪れる人々の目を楽しませてくれます。主なアートワークには、以下のようなものがあります。

安田侃：生棒、天秘、生誕
西野康造：スノーリング
団塚栄喜：SASABUNE、見えない架け橋、三日月湖、SAPPORO CITY CRUISE、SANCTUARY、TIME CAPSULE、TAKEKURABE、時の飛び石、2nd MOIWA、SAPPORO SUNDIAL、KAMOKAMO STEP、SAPPORO SOUND SOFA、Christmas Present from SAPPORO

公園のみどり

創成川公園には、様々な樹木や草花が植えられています。春にはキタコブシなどの花が咲き、多種多様なライラックを楽しむことができます。夏にはシダレヤナギやハルニレが緑を深め、ヘメロカリス類の花々が咲き誇ります。秋にはハギの花が咲き、ヤマモミジやイタヤカエデが紅葉します。冬にはコンコロールモミが雪とのコントラストを生み出し、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。

脚注

創成川公園の歴史や整備事業について、詳しい情報は以下の資料をご参照ください。
“創成川公園 リーフレット” (eBook5). 札幌市公園緑化協会
“札幌市創成川通” (PDF). 国土交通省
“創成川公園・狸二条広場 利用ガイド” (PDF). 狸二条広場運営協議会・札幌市

外部リンク

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