劇団とっても便利

劇団とっても便利（げきだんとってもべんり）

劇団とっても便利は、京都府を拠点としたミュージカル劇団であり、映画製作や出版業にも携わる団体です。設立は1995年で、京都大学の映画部を母体にして、当時の学生たちによって始まりました。創設者であり、作曲・脚本・演出を手掛けている大野裕之は、チャップリン研究でも名を知られる専門家です。同劇団のメンバーは多くが京都大学出身であり、その学問的背景が舞台作品にも反映されています。

来歴

この劇団の歴史は、数々の出来事が詰まっています。2003年にはミュージカル「美しい人」の東京公演を行い、この作品によりアリス賞を受賞しました。2005年には小川眞由美をゲストに迎え、「天守物語」を上演し、その後も小川との共演が続きました。2008年には青山円形劇場やOBP円形ホールでミュージカル「complex」を上演し、次第に評価を高めていきます。

さらに、2009年の博品館劇場と大阪OBPホールでの「ミュージカル・スターは夢を見る…」も大きな注目を集めました。これらの活動を通じて、関西地域における動員数は大変に高くなり、独自の地位を確立しました。

2014年には、映画『太秦ライムライト』を製作。大野が脚本とプロデューサーを務め、映画は国際的にも評価を受けました。モントリオールのファンタジア映画祭では最優秀作品賞、ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルでは観客賞、その他の様々な賞を受賞し、その実力を証明しました。

作風

劇団とっても便利の作風は、ドラマ性が強く、ロンドンミュージカルからの影響を色濃く受けています。在り来りではないテーマも取り扱っており、予想を超えた演目が多い点が特筆されています。また、小川眞由美とのジョイント公演は、通常のミュージカルの枠を超えた新たな試みであり、観客に刺激を与えています。

大野裕之の演出手法も高く評価され、多くの公演で新歌舞伎座での演出も手掛けるなど、活躍の場は広がっています。

作品一覧

• - 2003年：「美しい人」（大阪・東京・京都）
• - 2005年：「天守物語」（出演：小川真由美）
• - 2007年：「complex」（出演：高嶺ふぶき、他）
• - 2009年：「ミュージカル・スターは夢を見る…」（大野裕之が作曲・脚本・演出）
• - 2011年：「信長とボク　ボクのママ」（出演：高嶺ふぶき、福本清三他）
• - 2014年：映画『太秦ライムライト』（出演：福本清三、他）
• - 2019年：映画『葬式の名人』（出演：前田敦子、高良健吾等）
• - 2021年：映画『ミュジコフィリア』（出演：井之脇海、松本穂香等）

外部出演

メンバーは外部の舞台やテレビにも多く出演しています。多井一晃は「ちりとてちん」に、丹羽実麻子は「だんだん」に出演し、活躍の場を広げています。また、大野裕之は新歌舞伎座の特別公演の演出なども行っており、他のメンバーも映画や舞台で多彩な活動を展開しています。

おわりに

劇団とっても便利は、独自の視点から新たな演劇を創造する団体です。その活動は、ただのエンターテインメントにとどまらず、深いメッセージ性を持っています。今後の作品にも期待が寄せられます。

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