劇団バスガスガスガス

劇団バスガスガスガス（げきだんばすがすがすがす）は、日本の演劇集団です。脚本家としても知られる吉高寿男が主宰を務めています。活動は2003年に旗揚げ公演『同じ窓から見た12人』をもって開始され、当初は「演会」という名称でした。

この劇団の作品には明確な特徴があります。まず、その多くが「ワンシチュエーション」形式で構成されている点です。限られた空間や状況の中で物語が展開されるため、登場人物たちの心理描写や会話劇がより際立ちます。また、その作風はしばしば「ドラマチックコント」と形容されます。これは、演劇的なドラマの要素と、お笑いにおけるコントの要素が融合していることを示唆しており、観客は笑いと共に物語の奥行きを楽しむことができます。

ストーリーは、ごく日常的な、あるいは少し奇妙な状況設定の中で、登場人物たちのちょっとした勘違いや、あるいは意図的な嘘が複雑に絡み合うことで進行します。これらの小さな「行き違い」が連鎖し、予期せぬ展開やユーモラスな状況を生み出し、物語の核となっています。

劇団の初期には数名の俳優が所属していましたが、現在は特定の所属俳優を持たない形態で運営されていました。これは、作品ごとに柔軟なキャスティングを行うことを可能にし、表現の幅を広げる一因となったと考えられます。

舞台美術や宣伝物のデザイン面においても、特徴的なコラボレーションが行われていました。劇団のロゴマークをはじめ、公演のTシャツやチラシ、パンフレットといった様々なデザインワークは、アーティストの朝日昇が担当し、独特の世界観を視覚的に表現する一助となりました。

演劇活動にとどまらず、バスガスガスガスはお笑いライブにも積極的に参加していました。こうした活動を通じて、幅広い観客層にその存在を知らしめ、数々の賞レースでも好成績を収めるなど、多方面での評価を得ていました。

現在、劇団としての活動は休止されています。これは、主宰者である吉高寿男が自身の脚本家としての活動に専念するための方針転換によるものです。劇団としての直接的な舞台上演は一時的に停止していますが、吉高氏の脚本家としての活動は続いており、今後の動向が注目されています。

これまで上演された主な公演には以下の作品があります。

同じ窓から見た12人
裏偉人伝
中の人々
同じ窓から見た12人（再演）
1010号法廷の奇跡
高砂事変（池袋シアターグリーンビッグツリーにて上演）
トンネルを抜けると僕の弁当がなかった
前田（赤坂レッドシアターにて上演）
* ザ 告別式

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